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つむじはげの治し方と診断基準・原因を徹底解説

つむじはげの治し方と診断基準・原因の解説を掲げ、スマートフォンを頭上にかざして頭頂部を撮影する男性を配した図

つむじはげは男性AGAの典型的なはげ方のひとつで、頭頂部(頭のてっぺん)で薄毛が徐々に進行していきます。初期のうちはなかなか自分では気づきにくく、ある程度進行してから気づくケースが多いです。逆に、正常なつむじをつむじはげだと勘違いしてしまうケースもあります。

つむじはげの治し方については、メディアなどでさまざまな方法が紹介されますが、つむじはげの原因を考えると、効果が疑わしいものも少なくありません。

この記事では、つむじはげかどうか判断する基準やつむじはげの原因をくわしく解説し、それに基づいて本当に効果的な治し方を紹介していきます。

※本記事で紹介する治療には、国内未承認の医薬品(ミノキシジル内服薬など)が含まれます。未承認医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。詳しくは記事末尾の「未承認医薬品に関する重要事項」をご覧ください。

目次

つむじはげとは?症状や発症年齢について

まずは、つむじはげがどのような症状なのか確認し、進行パターンや発症年齢などについて解説します。

つむじはげとは?症状や発症年齢について
  • つむじはげは頭頂部(つむじ周り・てっぺん)で起こる進行性の薄毛
  • つむじはげはM字はげとともに男性AGAでよく見られる
  • つむじはげはAGA中期以降に発症する例が多いが、つむじからはげるタイプもある
  • 40代以降に多いが、20代で発症する例もある

つむじはげは頭頂部(つむじ周り・てっぺん)で起こる進行性の薄毛

つむじはげは頭頂部(頭のてっぺん)の髪が徐々にはげていく症状です。最初はつむじ近辺の髪が薄くなり、徐々に薄毛の範囲が広がりつつ、髪の密度が低下していきます。

最終的に薄毛がどこまで広がるかは人それぞれです。最悪の場合、頭頂部の全体にわたって髪がほとんどない状態になります。

つむじはげはM字はげとともに男性AGAでよく見られる

男性AGAの症状は主に頭頂部と前頭部(前髪周辺)で起こり、以下のいずれかのパターンで進むことが多いです。

男性AGAの進行パターン3種の比較図。頭頂部から広がるO型、生え際の両端が後退するM型、生え際が均等に後退するU型。
つむじはげはM字はげとともに男性AGAでよく見られる
  • 頭頂部中心に薄毛が進むパターン(前頭部では進行が遅い)→つむじはげ・O型
  • 前頭部中心に薄毛が進み、生え際の両端が先行して後退していくパターン(頭頂部では進行が遅い)→M字はげ・M型
  • 前頭部の生え際が均等に後退していくパターン(頭頂部では進行が遅い)→U字はげ・U型)

つむじはげは、薄毛が丸い形に広がるので「O型(O字はげ)」とも呼ばれます。前頭部の進行は比較的穏やかですが、時間とともに多かれ少なかれ前頭部の生え際も後退していくのが一般的です。最終的に頭頂部の薄毛と前頭部の薄毛がつながり、おでこから頭のてっぺんにかけて全体的にはげる方もいます。

つむじはげはAGA中期以降に発症する例が多いが、つむじからはげるタイプもある

AGAは前頭部から始まるのが一般的です。つむじはげの場合も、まずは多少前髪の生え際が後退してから頭頂部が薄くなるケースが多いですが、人によっては生え際の後退がほとんど目立たず、頭頂部から薄毛が始まったように見えることもあります。

40代以降に多いが、20代で発症する例もある

日本人男性のAGA発症頻度は、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%とされています。

参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年度版)|日本皮膚科学会 

つむじはげはAGAがある程度進行してから目立ってくることが多く、典型的には40代以降に見られます。進行の速い方や、つむじからはげ出すタイプの方は、30代や20代でもつむじはげになることがあります。

どこからがつむじはげ?診断基準や「思い込み」「つむじ割れ」との違い

初期のつむじはげは正常なつむじと見分けるのが難しいことがあるので、ここでくわしく見分け方を紹介します。他の脱毛症と見分けるポイントについても解説します。

どこからがつむじはげ?診断基準や「思い込み」「つむじ割れ」との違い
  • セルフチェックの方法|合わせ鏡やスマホ撮影で頭頂部を観察
  • つむじはげの基準① つむじ周りの髪の密度が低下し、地肌が透けて見える
  • つむじはげの基準② つむじ周りの毛が他の部位より細い/コシがない
  • つむじはげの基準③ 抜け毛に細い毛が混じる(「本数」ではなく「太さ」が重要)
  • つむじはげの基準④ つむじ周りがだんだんと薄くなってきた(急激でない)
  • つむじはげの基準⑤ 頭頂部・前頭部以外や体毛は薄くなっていない
  • 「思い込み」「気にしすぎ」の場合|生まれつきつむじが大きい方などつむじ割れとつむじはげの違い

セルフチェックの方法|合わせ鏡・スマホ撮影で観察

頭頂部は合わせ鏡に映すか、スマホで写真・動画に撮って観察するのがおすすめです。

洗面台・化粧台・姿見などの大きめの鏡と手鏡を合わせ鏡にすれば、手軽に頭頂部を観察できます。頭頂部が見やすいように作られた折りたたみ式の3面鏡・4面鏡も販売されています。

写真・動画の場合、光の加減で写り方が変化するので、自然光がたっぷり入り込んだ部屋など、全面的に明るい場所で撮影するのが理想的です。単一の照明が真上から強い光を落としているような場所で撮影したり、カメラのフラッシュでつむじを強く照らして撮影したりすると、地肌が実際以上に透けて写ることがあります。

初期のAGAでは、現状だけ見て判断するのは難しい場合が少なくありません。過去の写真・動画と比べるか、今から定期的に撮影を行って経過を観察するとよいでしょう(AGAはゆっくり進行するので、1年~数年程度、気長に撮影と観察を続ける必要があります)。

つむじはげの基準① つむじ周りの髪の密度が低下し、地肌が透けて見える

正常なつむじとつむじはげの見分け方の比較図。正常は中心だけ地肌が見え、つむじはげは中心以外でも地肌が透ける。

正常なつむじでは、中心に少しだけ地肌が見えた場所があって、その周りにしっかりした太い髪の毛がきれいな渦を巻くようにして伸びています。つむじ周辺の髪の密度が低下し、つむじの中心以外でも地肌が透けて見えていたら、つむじはげの可能性があります。

AGAでは前髪の生え際も薄くなることが多いので、あわせてチェックしておきましょう。

つむじはげの基準② つむじ周りの毛が他の部位より細い/コシがない

AGAでは前頭部や頭頂部の髪が育ちにくくなり、産毛のように細くて頼りない毛(軟毛)しか生えなくなっていきます。

つむじ周辺の髪に細くて頼りない毛が多数混じっていたり、他の部位に比べて髪の毛にコシがないように感じたれたりしたら、AGAによるつむじはげの可能性があります。

前頭部の生え際(とくに両端)で軟毛が増えていないかどうかも、あわせてチェックしましょう。両方で軟毛化が見られる場合、AGAの可能性が高いです。

つむじはげの基準③ 抜け毛に細い毛が混じる(「本数」ではなく「太さ」が重要)

抜け毛は誰にでも自然に起こる現象ですが、AGAでは「あまり育っていない毛」が抜けるようになります。抜け毛の太さにバラツキがあり、細くて頼りない感じの抜け毛が多数混じっているようなら、AGAの可能性があります。

「AGA=抜け毛が増える」というイメージがあるかもしれませんが、AGAと抜け毛の本数には明確な関係がありません。実際には、「AGA=毛が育ちにくくなる症状」です。健康な頭皮ではしっかり育った毛が主に抜けますが、AGAでは十分に育っていない毛も多く抜けるようになります。

抜け毛の本数を数えるよりも、抜け毛のなかに細くて頼りない毛が混じっていないかどうかチェックしたほうが、判断の参考になります。

つむじはげの基準④ つむじ周りがだんだんと薄くなってきた(急激でない)

基準④と基準⑤は、AGAとそれ以外の脱毛症を見分けるための基準です。

AGAではつむじ周りやおでこの生え際からゆっくりと薄毛が進行していきます。急激な脱毛はAGA以外の脱毛症によるものである可能性が高いです。

例えば、頭髪の一部が急にごっそりと抜けてつるつるした頭皮が現れたという場合、円形脱毛症の可能性があります。数週間〜数ヶ月程度の間にみるみる髪が減ってきたという場合は、休止期脱毛症や甲状腺機能異常による脱毛症が疑われます。

つむじはげの基準⑤ 頭頂部・前頭部以外や体毛は薄くなっていない

男性のAGAでは主に頭頂部や前頭部で薄毛が進行し、後頭部や側頭部の髪は最後まで残るのが一般的です(女性の薄毛では側頭部も薄くなることがあります)。また、体毛は薄くなりません。

頭髪全体が薄くなった場合や、頭髪だけでなく体毛も薄くなった場合、原因はAGA以外(甲状腺機能異常や薬剤の副作用など)である可能性が高いです。

「思い込み」「気にしすぎ」の場合|生まれつきや寝癖、「つむじ割れ」など

つむじの大きさや周辺の髪の生え方には個人差があり、生まれつきつむじが目立ちやすい人もいます。また、髪が濡れていたり、つむじ周りが寝癖でつぶれていたり、限られた照明で頭部を撮影したりすると、つむじ周辺の地肌が目立って見えることがあります。

そうしたことから、正常なつむじを「初期のつむじはげ」と誤解してしまうケースも少なくありません。

つむじ周りが微妙に薄くなったように感じた場合、基準②と③をよくチェックしてみてください。

「思い込み」「気にしすぎ」の場合|生まれつきや寝癖、「つむじ割れ」など
  • 基準②:つむじ周りの毛が軟毛化していないかどうか
  • 基準③:抜け毛に細い毛が混じっていないかどうか

基準②・③に当てはまっていなければ、AGAではなく「思い込み」の可能性があります。

つむじ割れとつむじはげの違い

つむじ周りの髪が左右や斜めにぱっくりと割れて、地肌が目立っている状態を、「つむじ割れ」といいます。

初期のつむじはげで髪の密度・コシが少し低下している場合、つむじ割れが発生しやすくなります(進行したつむじはげでは薄毛が広範囲にわたるので、つむじ割れとはまた違った感じになります)。

薄毛とは関係なく、生来の髪の生え方や、髪型・寝癖などの一時的な問題が原因となってつむじ割れが発生する場合も少なくありません。つむじ周辺の髪の密度低下や軟毛化、細い抜け毛の増加が起こっていなければ、AGAではない可能性が高いです。

つむじはげの原因

ここでは、つむじはげの発症原因をまとめます。原因を知れば、どんな対策が効果的か理解できるようになります。

つむじはげの原因
  • AGAによるつむじはげは、主に遺伝的体質が原因で発症
  • AGAでは頭髪の毛包が男性ホルモン・5α還元酵素の作用で萎縮
  • 栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはないが、補助的な要因にはなる
  • 頭皮の皮脂蓄積や毛穴のつまりでAGAが発症することはない(毛包炎の悪化要因にはなる)

AGAによるつむじはげは、主に遺伝的体質が原因で発症

AGAの発症しやすさや進行スピードは、主に遺伝で決まります。AGAの遺伝率は80%程度とされており、親族(親や祖父母、兄弟姉妹など)にAGAの人がいる場合、自分もAGAになる可能性が高くなります。

とくに大きな影響力を持つとされているのは、毛包の細胞にある男性ホルモン受容体の遺伝子です。毛包は毛を生み出す組織で、一つ一つの毛穴の奥に存在します。頭髪の毛包にある男性ホルモン受容体に男性ホルモンが結合すると、毛包を萎縮させる反応が起こり、AGAにつながります。

頭頂部の毛包のなかに、男性ホルモン受容体をたくさん生成するタイプの遺伝子を持っている人は、つむじはげになりやすいです。

他にも、AGAに関係すると思われる遺伝子がいろいろと見つかっています。

参考:Androgenetic Alopecia in Men: An Update On Genetics|Indian Journal of Dermatology

AGAでは男性ホルモン・5α還元酵素の作用で頭髪の毛包が萎縮

血液中にはテストステロン(主要な男性ホルモン)が浮遊しており、これが血流に乗って頭髪の毛包に到達し、男性ホルモン受容体と結合すると、毛包を萎縮させる反応が引き起こされます。

普通のテストステロンは受容体とあまり結合しないので、髪への影響は小さいです。しかし、毛包の細胞にある5α還元酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変化すると、受容体と強く結合するようになり、AGAの大きな要因となります。

AGAで毛包が萎縮するまでの流れの図。テストステロンが5α還元酵素によってDHTに変わり、毛包を萎縮させる。
【AGAの発症メカニズム】
  • テストステロン+5α還元酵素→DHT→男性ホルモン受容体に結合→毛包が萎縮→髪の軟毛化、密度低下、生え替わりの遅延が発生し、薄毛が進行

栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはないが、補助的な要因にはなる

栄養不足は髪の成長にとってよくありませんし、慢性的なストレスは活性酸素の増加などをもたらし、頭皮の健康を害することがあります。しかし、栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはありません。

AGAになりやすい遺伝的体質を持つ人は、とくに栄養不足やストレスがなくても、いつかはAGAを発症することになるでしょう。遺伝的体質に栄養不足やストレスが加わると、AGAの発症・進行が早まる可能性があります。

なお、極端な栄養不足や、外科手術・大病などによる大きな身体的ストレスで脱毛症が発生することがありますが、これは休止期脱毛症の一種で、AGAとは異なります。休止期脱毛症では脱毛が急激で、部位に関係なく発症します。

頭皮の皮脂蓄積や毛穴のつまりでAGAが発症することはない(毛包炎の悪化要因にはなる)

「頭皮に皮脂や汚れが蓄積して毛穴がつまるとAGAの原因になる」というイメージが流布していますが、これは俗説であり、医学的な根拠はありません。

頻繁な洗髪・ブラッシング・マッサージなどのケアが頭皮にとってかえってストレスとなり、AGAの補助的な進行要因となる可能性すらあります。

毛包にできる炎症(毛包炎)が悪化すると、一時的な脱毛症が生じることがあります。皮脂の蓄積や毛穴のつまりは毛包炎の悪化要因ですが、毛包炎悪化で生じる脱毛症は休止期脱毛症の一種で、AGAとは異なります。

つむじはげは治る?治らない?

つむじはげには医学的に効果が確かめられた治療法が存在します。ただし、進行度によっては効果がかなり限定されます。また、自然治癒や自力ケアによる改善は期待できません。

つむじはげは治る?治らない?
  • AGAのつむじはげは遺伝の影響で発症するため自然には治らない
  • 頭皮マッサージなどの自力ケアで治すことはできない
  • 内服薬・外用薬や外科治療でつむじはげを改善することが可能
  • ただし薄毛が進行しすぎると治療薬が効きにくくなる
  • 食生活改善やサプリ摂取、ストレス解消は診療ガイドラインが推奨する治療には入っていない
つむじはげが治るかどうかの整理図。自然治癒と自力ケアはできず、内服薬・外用薬で進行を抑え、外科治療という選択肢もある。

AGAのつむじはげは遺伝の影響で発症するため自然には治らない

AGAは遺伝的体質がベースとなり、加齢によるホルモンバランス変化や身体組織の老化などが加わって発症します。そのため、自然に治ることはなく、放置すれば薄毛が進行していきます。

頭皮マッサージなどの自力ケアで治すことはできない

頭皮マッサージやブラッシング、市販の育毛シャンプー・育毛剤、睡眠改善など、自分でできる薄毛ケアがいろいろとメディアで紹介されています。しかし、こうしたケアはAGAの原因や発症メカニズムに影響を与えるものではなく、医学的には効果が不明です。

育毛剤に配合される成分のうち、アデノシンの外用については、日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)が男性型脱毛症に対して推奨度B(行うよう勧める)としています。ただし配合濃度は製品によって異なり、表示されていない製品もあります。

配合成分の名称と、その成分がどの濃度で検討されたのかは別の情報です。購入前に表示を確認してください。

内服薬・外用薬や外科治療でつむじはげを改善することが可能

後ほどくわしく紹介しますが、AGAの発症メカニズムや毛の成長プロセスに働きかける内服薬・外用薬が開発されて、広く用いられています。これらの薬により、AGAの進行抑制を図ることができます。

自分の頭皮を薄毛部位に移植する自毛植毛術や、レーザー治療など、外科的な治療法も存在します。自毛植毛は比較的昔から行われていて実績のある治療法で、薄毛がかなり進行した方でも適用可能な場合が多いです。

現在のところ、AGAの原因となる遺伝子そのものを治療する方法はありません。将来的にはAGAの遺伝子治療も登場するかもしれません。

ただし薄毛が進行しすぎると治療薬が効きにくくなる

内服薬・外用薬は早期に使用を開始したほうが高い改善度を期待できます。AGAが進行してからでは効果は限定されてしまい、少し改善しただけで効果が頭打ちになったり、しばらくするとまた薄毛が悪化したりする可能性が高くなります。

内服薬・外用薬による治療はできるだけ早めに開始することが重要です。

食生活改善やサプリ摂取、ストレス解消は診療ガイドラインが推奨する治療には入っていない

栄養不足やストレスはAGAの主要な原因ではないため、それらを改善するだけでAGAを治すことはできません。日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)が推奨度を与えている治療は、内服薬・外用薬・自毛植毛・LED/低出力レーザー照射などで、食事やサプリはその対象になっていません。

バランスのとれた食事や睡眠は体調の維持に役立ちますが、これらがAGA治療の効果を高めるかどうかは確かめられていません。

毛髪をつくる材料になる栄養素としては、ビタミンD、ビタミンB、亜鉛、鉄、銅、セレンなどが挙げられます。

内服薬・外用薬によるつむじはげの治し方

内服薬・外用薬による治療は、日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)で推奨度A(行うよう強く勧める)が与えられている治療です。各治療薬の働きと用い方、入手先の選び方を解説します。

内服薬・外用薬によるつむじはげの治し方
  • フィナステリドとデュタステリド|5α還元酵素の作用を阻害し毛包萎縮を抑制
  • ミノキシジル|毛包を活性化して発毛と毛の成長を促進
  • フィナステリド/デュタステリドとミノキシジルの併用で効果アップ
  • AGAの進行度と治療薬の選択方法
  • 治療薬の入手方法|市販・対面診療・オンライン診療・個人輸入代行の比較

フィナステリドとデュタステリド|5α還元酵素の作用を阻害し毛包萎縮を抑制

フィナステリドとデュタステリドは5α還元酵素の作用を阻害する内服薬です。フィナステリドやデュタステリドを飲んでいるとテストステロンからDHTへの変換が起こりにくくなり、毛包の萎縮が抑制されます。

AGAは進行性の薄毛なので、まずはその進行を止めるのが先決です。AGA進行抑制効果のため、フィナステリドとデュタステリドはAGA治療の基本薬とされています。

フィナステリドとデュタステリドの国内承認効能は、男性型脱毛症の進行遅延です。日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)が引用する臨床試験では毛量の増加も報告されていますが、現れ方には個人差があります。

AGAの原因となる5α還元酵素には2種類あり、フィナステリドは一方のみ、デュタステリドは両方に作用します。阻害する酵素の範囲が異なるため、どちらを選ぶかは症状・既往・副作用の出方を踏まえて医師が判断します。

フィナステリド・デュタステリドの副作用としては、性欲減退・勃起不全・射精障害などの性機能に関するものが報告されています(デュタステリドの国内試験では性欲減退8.3%、勃起不全11.7%、射精障害5.0%)。まれに肝機能障害があらわれることがあります。妊娠中・授乳中の女性への投与は禁忌です。気になる変化があれば、服用を続けるかどうかを処方元の医師と相談してください。

ミノキシジル|毛包を活性化して発毛と毛の成長を促進

ミノキシジルはAGAの発症メカニズムには関与せず、別の側面から毛包を活性化して、毛の成長と生え替わりを促進します。

ミノキシジルの外用薬(塗りミノ)は国内で承認されており、日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)は推奨度A(行うよう強く勧める)としています。一方、内服薬(ミノタブ)は国内で承認されておらず、同ガイドラインは推奨度D(行うべきではない)としています。同ガイドラインは「ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない」とも述べています。

ミノキシジル外用薬では、塗った部分の紅斑やかゆみ、フケ(落屑)、毛包炎、接触皮膚炎、顔の多毛などの有害事象が報告されています。

フィナステリド/デュタステリドとミノキシジルの併用で効果アップ

ミノキシジルだけの治療ではAGAの進行が抑制できないので、ミノキシジルの作用とAGAの毛包萎縮作用が相殺されてしまい、治療効果が現れにくい場合が多いです。ミノキシジルは単体で用いるのではなく、フィナステリドかデュタステリドと併用するのが標準的な治療法です。

一方、フィナステリドやデュタステリドは単体でも進行抑制の効果が得られるケースがあります(とくにAGA初期の場合)。ミノキシジル外用薬を併用する治療も選択肢になります。

つむじはげの進行度と治療薬の選択

AGA初期〜中期であれば、内服薬・外用薬による治療で対応できるケースが多いです。AGA後期になると治療薬による改善はあまり期待できないので、自毛植毛などを検討したほうがよいでしょう。自毛植毛を受けた場合も、植毛部位以外での薄毛進行を抑制するためフィナステリドかデュタステリドの服用が推奨されます。

つむじはげの進行度3段階の図。初期はつむじ周りが薄くなり出し、中期は薄毛が広がり、後期は頭頂部や前頭部が全体的に薄くなる。
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AGA進行度症状推奨される治療法
初期つむじ周りが少し薄くなり出しただけで、前頭部の生え際はまだほとんど後退していないか、若干M字気味になっている程度フィナステリドまたはデュタステリド(ミノキシジル外用薬を併用する場合もあります)
中期頭頂部の薄毛がつむじから離れたところにまで広がっている
または、頭頂部の薄毛はそれほど広がっていなくても、前頭部の生え際がはっきり後退してM字が深くなっている
フィナステリドまたはデュタステリド+ミノキシジル外用薬
後期頭頂部や前頭部が全体的に薄くなっている自毛植毛+フィナステリド/デュタステリド など

治療薬の入手方法|市販・対面診療・オンライン診療・個人輸入代行の比較

AGA治療薬の入手先には4つの選択肢があり、取り扱い内容やサービスの特徴が異なります。

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入手先市販対面診療オンライン診療個人輸入代行
取り扱い国内製ミノキシジル外用薬のみ治療薬全般(主に国内製)治療薬全般(国内製・海外製)治療薬全般(海外製)
購入方法ドラッグストア店頭やAmazonなどの市販サイトで自分で選ぶ医療機関に通院し、院内処方・調剤薬局で購入オンラインで処方してもらい、自宅で受け取るオンラインで注文(海外とのやり取りは業者が代行)
価格相場標準的~高め標準的~高め安め~標準的(比較対象にしない)
特徴ドラッグストアの店頭のほか、第1類医薬品を扱う通信販売でも購入できる(いずれも薬剤師による情報提供を受ける)各種検査や外科治療にも対応スマホやPCなどのビデオ通話でスキマ時間に受診できるプライバシーが守りやすい
診察の翌日~数日後には入手可能1年単位の定期購入で料金がかなりお得になる
価格は低いが、品質・成分が保証されない
注意点フィナステリドやデュタステリドは買えないので、別の入手先が必要1ヶ月~数ヶ月ごとに通院が必要
院内で他の受診者と同席することがある
血液検査などは受けられない
お得な定期購入プランでは一度にまとまった費用がかかる
偽造薬が送られてくるリスクがある
海外発送で、到着まで1~2週間かかる
量によっては税関で止められることがある

※国内製=国内承認済み治療薬(製造場所は国内とは限らない)

※AGA治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用は全額自己負担となります。

※本記事で紹介する治療には、国内未承認の医薬品(ミノキシジル内服薬など)が含まれます。未承認医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。詳しくは記事末尾の「未承認医薬品に関する重要事項」をご覧ください。

オンライン診療は移動の時間がかからず、診察から薬の受け取りまで自宅で行えます。一方、血液検査などの対面での検査は受けられません。フィナステリド/デュタステリドの単剤を扱うクリニックが多く、料金は取り扱いや処方期間によって異なります。1年単位の定期配送プランを選ぶと非常にお得な料金で利用できる場合が多いです。

肝機能障害がある方は内服薬の処方前に血液検査が必要になるので、(少なくとも初回は)対面診療クリニックを利用したほうがよいでしょう。

市販では国内承認済みミノキシジル外用薬(男性向け濃度1%・5%、女性向け濃度1%)しか買えず、本格的な治療には不十分です。オンライン診療のお得なプランでフィナステリドかデュタステリドを入手し、ミノキシジル外用薬のみ市販で買う、という利用方法がおすすめです。

個人輸入代行は偽造薬などのリスクがあり、トラブルが起きてもすべて自己責任(海外業者との直接交渉が必要)なので、おすすめできません。

外科治療によるつむじはげの治し方

AGAの外科治療は、内服薬・外用薬で十分な結果が得られなかった場合に検討される治療です。今後は家庭向けのレーザー治療器が普及し、内服薬・外用薬と同じように手軽に利用できるようになる可能性もあります。

外科治療によるつむじはげの治し方
  • 自毛植毛|健康な自分の頭皮を移植。後期AGAにも適用可能
  • LED/低出力レーザー|毛包幹細胞を活性化して髪の成長を促進
  • フラクショナルレーザー|頭皮の新生により発毛を促進
  • メソセラピー|治療薬や成長因子を頭皮に注入
つむじはげの外科治療4つと診療ガイドライン上の位置づけの一覧図。LED/低出力レーザーは推奨度B、メソセラピーは推奨度C2。

自毛植毛|健康な自分の頭皮を移植。後期AGAにも適用可能

AGAでは後頭部・側頭部は薄くなりにくく、最後まで残るのが一般的です。自毛植毛では、薄毛になりにくい後頭部・側頭部の頭皮を採取して、細かく「株分け」し、自然な頭髪に見えるように薄毛部位に移植します。

治療薬が効きにくい方でも、自毛植毛であれば薄毛を改善できる場合が多いです。ただし、薄毛があまりに広範囲にわたっていると、十分にカバーできないか、頭皮を採取した部分の傷跡が目立ってしまう可能性があります。

移植した頭皮は薄毛になりにくいですが、もとからある前頭部・頭頂部の頭皮は薄毛になりやすいので、これ以上薄毛が進行しないようにフィナステリドかデュタステリドの服用が推奨されます。

LED/低出力レーザー|毛包幹細胞を活性化して髪の成長を促進

専用機器を用いて、LED光や低出力のレーザーを頭皮に照射する治療です。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、「有用性を示す十分な根拠があり、副作用も比較的軽微であることから、適切な機材を使用して行うよう勧めることにする」として、推奨度B(行うよう勧める)としています。しかし、日本ではまだあまり普及していません。

米国では家庭向けの機器が流通しています。ただし同ガイドラインは、これらの機器について「国内ではまだ認可されておらず」と注記しています。

参考:A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials of United States Food and Drug Administration-Approved, Home-use, Low-Level Light/Laser Therapy Devices for Pattern Hair Loss|JCAD

今後は日本でもLED/低出力レーザー治療器が普及していく可能性があります。

フラクショナルレーザー|頭皮の新生により発毛を促進

レーザーを照射して頭皮に微細な傷を与える治療です。LED/低出力レーザーと違い、医師による施術が必要です。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」には記載がありませんが、アメリカではFDA認証済みのフラクショナルレーザー治療器が普及しています。

参考:Laser-assisted Hair Regrowth: Fractional Laser Modalities for the Treatment of Androgenic Alopecia|National Library of Medicine

日本でも、一部のクリニックで国内未承認のレーザー治療器を用いた治療が自由診療として提供されています。

メソセラピー|治療薬や成長因子を頭皮に注入

ミノキシジルなどの治療薬や成長因子を頭皮に注入する治療です。

ただし、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」は、成長因子を注入する治療(成長因子導入および細胞移植療法)を推奨度C2(行わないほうがよい)とし、「現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため、行わない方がよいことにする」としています。海外の研究では、悪性腫瘍や永続的な脱毛などの深刻な副作用が生じた例も報告されています。

参考:Systematic review of mesotherapy: a novel avenue for the treatment of hair loss|Journal of Dermatological Treatment

日本皮膚科学会のガイドラインは初版が2010年発行、最新版が2017年発行なので、近いうちに改訂版が発行される可能性があり、メソセラピーに関する記載がどのように変更されるか注目されます。

つむじはげに関してよくある質問

最後に、つむじはげに関してよくある質問を取り上げて解説します。

よくある質問
  • はげてない人の正常なつむじとはげたつむじの違いは?
  • 高校生でもつむじはげになる?
  • 射精しすぎるとつむじはげになる?禁欲で改善する?
  • 女性もつむじはげになる?治療法は?

はげてない人の正常なつむじとはげたつむじの違いは?

正常なつむじでは、硬毛がきれいな渦を巻くようにして生えています。はげたつむじでは、髪が軟毛化して薄くなり、渦が乱れて地肌が透けて見えるようになります。

つむじはげになると、つむじ周りでしっかりした太い毛(硬毛)が育ちにくくなり、細くて頼りない毛(軟毛)が増えて、薄毛が進行します。

生まれつきの癖や寝癖などの一時的な変化でつむじ周りの地肌が目立つ場合がありますが、軟毛化が起こっていなければ、正常なつむじと判断できます。

高校生でもつむじはげになる?

思春期以降の男性なら誰でもつむじはげを発症する可能性がありますが、通常の高校生の年齢(十代半ば〜後半)で発症するケースはまれです。

高校生でつむじ周りの薄毛が気になるという場合、髪の生え方の個人差を気にしすぎているだけか、AGA以外の脱毛症(休止期脱毛症・円形脱毛症など)の可能性のほうが高いでしょう。

射精しすぎるとつむじはげになる?禁欲で改善する?

射精の頻度とAGAの発症・進行には関連性がありません。

「射精しすぎるとAGAになる」という説は、以下の2つの根拠をもとにしているようです。

  1. 射精でタンパク質が失われる→髪の成分の大半がタンパク質なので、射精で髪の栄養が失われて薄毛になる
  2. 射精時に血液中の男性ホルモンの値が上昇する→5α還元酵素の作用を介して薄毛が進む

確かに精液中には比較的多くのタンパク質が含まれますが、1回の射精で放出されるタンパク質は微量です。通常の食生活をしている限り、「限界まで射精しすぎた」としても、髪の成長に影響を及ぼすほどにはなりません。

また、射精により血液中の男性ホルモン量が変動することがありますが、一時的なもので、ホルモンバランスを変えるほどではなく、AGAの発症に影響することはありません。

したがって、「禁欲でつむじはげが改善する」ということもありません。

女性もつむじはげになる?治療法は?

女性の薄毛では髪の密度が全体的に低下しますが、つむじ周りの薄毛は目立ちやすいので、「つむじはげ」のように見えることもあります。

女性の薄毛(FAGA・FPHL)では、頭頂部や前頭部、側頭部の髪の密度が全体的に低下していきます。

とくに頭頂部で薄毛が目立つケースもありますが、男性のように「つむじから円状に薄毛が広がっていく」のではなく、頭頂部全体がまんべんなく薄くなっていくような進行パターンになります。そのため、つむじ周りだけでなく、髪の分け目の全体にわたって地肌が目立ちやすいです。

治療にはミノキシジルのほか、フィナステリド/デュタステリドと似た作用を持つスピロノラクトンなどが用いられます。

なお、スピロノラクトンは国内では男性型・女性型脱毛症の適応で承認されておらず、適応外使用にあたります。日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)にも記載がありません。

まとめ|早めに受診して内服薬・外用薬による治療から始めていきましょう

つむじはげは遺伝的体質が主な原因となって発症するため、自然には治らず、頭皮マッサージなどの自力ケアでは改善できません。医学的に効果が確かめられた治療法には、内服薬・外用薬による治療と自毛植毛などの外科治療があり、まずは内服薬・外用薬による治療から始めるのが一般的です。

ミノキシジルの外用薬のみ市販もされていますが、ミノキシジルだけでは薄毛の進行を止められないので、医療機関でフィナステリドやデュタステリドも処方してもらうことをおすすめします。

内服薬・外用薬は薄毛があまり進行しないうちに始めたほうが高い改善度を期待できるため、できるだけ早めに医療機関を受診して治療を開始してください。通院の時間が取りにくい場合は、オンライン診療も選択肢になります。

【未承認医薬品に関する重要事項】
本記事で紹介する治療には、国内で医薬品医療機器等法上の承認を得ていない医薬品が含まれます。

  • 未承認医薬品:ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット)は、発毛目的では国内未承認です。
  • 入手経路:処方する医療機関の医師が個人輸入等により入手したものです。(参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」)
  • 国内の承認医薬品の有無:ミノキシジルは外用薬(塗り薬)としては国内承認薬があります。
  • 諸外国における安全性等:米国等では高血圧治療薬として承認されていますが、脱毛症治療を目的とした承認はありません。
  • 医薬品副作用被害救済制度:未承認医薬品の使用による健康被害は、同制度の対象外です(国内承認薬を承認された効能・用法以外で使用する場合も、原則として対象外です)。

治療を受ける際は、医師から十分な説明を受け、リスクや副作用を理解したうえで判断してください。

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