ミノキシジルは発毛効果を持つ薬として国内で唯一承認され幅広く用いられている薬ですが、さまざまな理由からミノキシジルをやめることになり、「やめてよかった」と感じる方もいます。
今現在、やめるかどうか迷っている方も少なくないでしょう。
この記事では、ミノキシジルユーザーが「ミノキシジルをやめてよかった」「やめたい」と感じる理由をまとめて紹介し、実際にやめた場合の影響や、やめるべきかどうか決める判断基準、やめるタイミングについて解説します。ミノキシジルの代わりになる治療法についても簡潔にまとめました。
また、一部には「ミノキシジルはやめたほうがいい(そもそも使わないほうがいい)」という意見もあるので、その真偽についても検証しています。
ミノキシジルユーザーが「やめてよかった」「やめたい」と感じる8つの理由

ミノキシジルユーザーが使用中止・中断にいたる主な理由は以下の8つです。
- 効果が感じられない(ミノキシジルだけ・外用薬だけ使用の場合など)
- 副作用(かゆみ・動悸など)がつらい
- かえって抜け毛が増えた(初期脱毛への誤解)
- 治療費がかかりすぎる
- 通院が面倒・つらい
- 子供への影響が心配(とくに妊娠・授乳中の女性)
- AGA・FAGA以外の原因による薄毛だった
- 薄毛を気にする生活に疲れた
①効果が感じられない(ミノキシジルだけ・外用薬だけ使用の場合など)
効果が感じられない(毛が生えない・増えない)というのは、ミノキシジルユーザーのなかでよく見られる悩みです。とくに、ミノキシジルだけ(市販の外用薬など)でAGA治療をしている方は、効果が感じられないケースが多いです。
ミノキシジルは毛の源(毛包)に直接働きかけて毛の成長や生え替わりを促進しますが、薄毛進行の原因を止めることはできません。フィナステリドなどの薄毛進行抑制薬を併用しないと、ミノキシジルの効果が相殺されてしまい、発毛が起こりにくいです。
ミノキシジルは使用から1年ほどで効果のピークを迎え、その後は発毛がゆっくりになるケースが多いです。
参考:Minoxidil and its use in hair disorders: a review|National Library of Medicine
効果がピークを迎えるまでに髪がフサフサになれば言うことはありませんが、ある程度のところで発毛が停滞してしまい、それ以上なかなか髪が増えない状況が続くことも少なくありません。そうしたケースでは、それ以上の発毛をあきらめて使用をやめてしまう方もいます。
②副作用(かゆみ・動悸など)がつらい
ミノキシジルでは以下のような副作用が起こることがあります。
- 外用薬:頭皮のかゆみ、皮膚炎、頭痛、顔面の多毛(うぶ毛・ひげの増加)など
- 内服薬:全身の多毛、動悸、息切れ、むくみなど
ミノキシジルの副作用は我慢できる程度である場合が大半で、発毛効果が感じられている場合や、治療初期でこれから発毛が期待できる場合には、我慢して続ける方も多いです。十分な期間使用を継続しても効果が現れず、副作用だけが出てしまっている状況では、続けるのは難しくなります。
③かえって抜け毛が増えた(初期脱毛への誤解)
ミノキシジルの使用開始後10日~2ヶ月くらいの間に、まとまった脱毛が生じることがあり、「初期脱毛」と呼ばれます。ミノキシジルは毛の生え替わりを促進するので、AGAで停滞していた生え替わりが急に加速して、一時的に抜け毛が増えることがあるのです。
初期脱毛はミノキシジルの正常な作用で起こるもので、そのうち自然に治まるので、心配は不要です。しかし、初期脱毛についてよく理解していないと、「ミノキシジルでかえって抜け毛が増えた」と思い、使用中止につながることがあります。
④治療費がかかりすぎる
AGA治療は保険適用外なので、かなり治療費がかかります。リアップなどの市販ミノキシジルは1ヶ月分4,000円〜8,000円程度で、対面診療クリニックに通院してミノキシジルとフィナステリドを併用すれば月額1万円以上かかるのが一般的です。
しかもAGA治療は長期継続が必要なので、そうした負担がずっと続くことになります。初めのうちはよくても、治療を続けるうちに負担が重く感じられるようになる方も多いです。
⑤通院が面倒・つらい
対面診療のクリニックでミノキシジルを処方してもらう場合、少なくとも数ヶ月に1回程度は通院が必要になり、治療を続ける限りはそれがずっと続きます。
クリニックに出向く手間や交通費がかかるだけでなく、クリニックで他の患者や受付スタッフなどと顔を合わせなければならず、それが心理的な負担になる方も少なくありません。
⑥子供への影響が心配(とくに妊娠・授乳中の女性)
妊娠中の女性がミノキシジルを使用しても胎児の発育に悪影響を及ぼす恐れはかなり小さいとされてますが、ゼロとは言い切れません。そのため、安全のため妊娠中・妊活中の女性は使用しないほうがよいとされています。
ミノキシジルの成分は母乳のなかに多少入り込むので、授乳中の女性もミノキシジルの使用は推奨されません。
男性の場合、ミノキシジルの成分が精液に移行し、パートナー女性の体内に入り込む可能性がないとは言い切れませんが、たとえそうなっても子供の発育に悪影響が生じるようなことは考えにくいとされています。しかし念のため、少なくとも妊活中はミノキシジルの使用を控える男性もいます。
⑦AGA以外の原因による薄毛だった
一向に効果が現れないので使用を中止して医師に相談したところ、AGA以外の脱毛症(円形脱毛症や甲状腺機能異常による脱毛症)であることが判明し、「やめてよかった」となるケースもあります。受診せずに自己判断で市販薬のミノキシジルを使用していた場合には、こうしたことが起こりやすいです。
⑧薄毛を気にする生活に疲れた
AGA治療は長期継続が必要なので、途中で治療生活に疲れてしまう方もいます。治療を始めたことで抜け毛や髪の薄さを前よりも意識するようになり、抜け毛・薄毛を気にかける時間がかえって増えて、心理的なストレスが蓄積してしまう場合も少なくありません。
そうしたケースでは、AGA治療をやめ、「薄毛の自分」を受け入れることで、より前向きな人生を送れるようになることがあります。男性の場合、ある程度の年齢になると同年代に薄毛の人が増えるので、AGA治療をやめるという選択肢を取りやすくなります。
あるいは、治療薬をフィナステリドやデュタステリドだけにして、髪を増やすことは意識せずに、より気楽に治療を続ける方もいます。
「ミノキシジルはやめたほうがいい」と言う人がいるのはなぜ?それは本当?
一部では「ミノキシジルはやめたほうがいい(そもそも使わないほうがいい)」という意見もあります。それらの意見の真偽を検討してみます。
- 「ミノキシジルは効果なし」という評判
- 「ミノキシジルタブレットはやばい」という説
- 「ミノキシジルはかえって禿げる」「やめたら生えた」という口コミ・体験談
- 「ミノキシジルで老ける」という噂
「ミノキシジルは効果なし」という評判
「ミノキシジルが効かなかった」「期待したほど発毛しなかった」というケースは、残念ながらまれではありません。とくに、ミノキシジルだけを使用していた場合は思うように発毛しないことが多いです。
ブログやYahoo!知恵袋・5ch(2ch)などのSNSでは、「ミノキシジルを使ってみたが効果がなかった」という体験談を投稿する人や、「ミノキシジルは無意味」などと突き放す発言をする人もいます。
しかし、ミノキシジルを使って十分に発毛した方がいるのも事実です。おでこの生え際や頭頂部の密度が気になりだしたAGA初期の方なら、ミノキシジルだけで十分効果が得られる場合がありますし、それ以外の方でも、フィナステリドやデュタステリドを併用することで、満足の行く結果が得られるケースは少なくありません。
使う前から「どうせ生えない」と諦めてしまうのはもったいないです。
「ミノキシジルタブレットはやばい」という説
ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット、ミノタブ)は、以下の理由で「やばい薬」と評価されることがあります。
- 高血圧症治療薬(降圧剤)として承認している国はあるが、AGA治療薬として承認している国は存在しない
- 高血圧・低血圧の人や心臓・循環器・肝臓に障害がある人が高血圧症治療用のミノキシジル内服薬を用いると、重い副作用が生じることがある
- こうしたことから、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では「ミノキシジル内服は行うべきでない」とされている
日本皮膚科学会のガイドラインではAやBを重視し、「内服は行うべきでない」としていますが、AGA治療に用いるミノキシジル内服薬は高血圧症治療に用いるものよりも低用量で、副作用のリスクはその分小さいです(高血圧症治療には1日10mg、AGA治療には1日2.5mg~5mgが一般的)。
低用量のミノキシジル内服薬をAGA治療に用いる研究は海外で盛んに行われ、安全性にも大きな問題がないことが確認されています。
内服薬は外用薬よりは副作用が出やすいですが、副作用が出たとしても症状は軽く、そのまま服用を継続できるケースが多いです。ただし、重度の肝機能障害がある方や重い腎臓病を患っている方、透析を受けている方などは、定期的に医師の診察や検査を受けながら慎重に服用する必要があります。
「ミノキシジルはかえって禿げる」「やめたら生えた」という口コミ・体験談
ミノキシジルを使用してから「かえって禿げた」のだとしたら、以下の可能性が考えられます。
- A.初期脱毛
- B.治療前よりも頭髪の状態や抜け毛の量に注目するようになり、今まで気づいていなかった薄毛や抜け毛に目が止まるようになった
ミノキシジルの効果を実感するには、少なくとも4ヶ月程度は使用を継続する必要があります。初期脱毛が生じたところでやめてしまった人や、Bの理由ですぐにやめてしまった人は、「ミノキシジルでかえって禿げた」という記憶を残すことになるでしょう。
これらの人も、十分な期間ミノキシジルを継続していたら発毛が実感できた可能性があります。
「ミノキシジルをやめたら生えた(使用開始前より髪が増えた)」というケースは考えにくいですが、「やめたら初期脱毛が治まって抜け毛が減った」というケースなら考えられます。
似た話で、「育毛剤をやめたら生えた」という体験談もときどき聞かれます。育毛剤にはそもそも発毛効果はなく、過剰なケアや体質に合わない薬剤で頭皮を傷め、抜け毛を増やしてしまう可能性があるので、「やめたら抜け毛が減った」ということはありうるでしょう。
「ミノキシジルで老ける」という噂
この噂には医学的根拠はありませんが、関係する話としては以下の4つが考えられます。
- 外用薬による皮膚炎
- 内服薬によるむくみ
- 顔や身体のうぶ毛増加
- 「ミノキシジルがコラーゲン生成を妨げる」という研究
「外用薬による皮膚炎」や「内服薬によるむくみ」で老ける?
ミノキシジルの副作用で生じた皮膚炎やむくみのせいで、顔や肌の印象が老けて見えるということはありえますが、老けて見えるほどの副作用が生じるケースはまれです。たとえ皮膚炎やむくみの副作用が出ても、症状は軽いか、自然に治まる場合が大半です。
「顔や身体のうぶ毛増加」で老ける?
うぶ毛が少ないほうが肌のトーンが明るくなる(そのため若々しく見える)という話がありますが、根拠はないようです。うぶ毛が多いと化粧のりが悪くなるので、ミノキシジルでうぶ毛が増えれば「化粧顔が老ける」ということはあるかもしれません。これはうぶ毛を剃ることで対処できます。
「ミノキシジルがコラーゲン生成を妨げる」ので老ける?
コラーゲンは皮膚の深層(真皮)にあり、肌に弾力・ハリを与えている物質です。加齢などでコラーゲンが失われると、シワやたるみの原因となり、老けた見た目につながります。
「AGA治療薬や高血圧症治療薬のミノキシジルを使うと肌の中のコラーゲン生成が妨げられる」という研究がもし存在するなら、ミノキシジルの重大な副作用として公表されるはずですが、そうしたことにはなっていません。
実際に存在するのは以下のような内容の研究です。
- 皮膚組織を体内から取り出して培養し、「培養皿の中でミノキシジルを直接作用させた」ところ、コラーゲン生成が抑制された
- したがって、傷・炎症の線維化など、「コラーゲンの過剰な生成・蓄積」が問題となる症状の治療に使えるかもしれない(まだ実用化はしていない)
参考:Applications and efficacy of minoxidil in dermatology|National Library of Medicine
ミノキシジル外用薬を頭皮に塗っても、皮膚表層のバリアにはばまれて、コラーゲン層まで成分が到達しないので、肌のコラーゲン生成に影響するとは考えられません。また、「ミノキシジルの内服が肌のコラーゲン生成を妨げる」という研究は存在しません。
ミノキシジルをやめたらどうなる?やめるデメリットとその後の経過
ここでは、ミノキシジルをやめた場合の経過やデメリットをまとめます。
- 外用薬(塗りミノ)・内服薬(ミノタブ)の両方をやめればミノキシジルの効果はストップ
- 他の薬を継続するかどうかでその後の経過は変わる
- ミノキシジルをやめると「リバウンド」する?
- ミノキシジルを中断してから再開すると効き目に影響する?
外用薬(塗りミノ)・内服薬(ミノタブ)の両方をやめればミノキシジルの効果はストップ
ミノキシジル(外用・内服両方)をやめれば効果は止まり、それ以上毛が増えたり太くなったりすることはなくなります。
内服薬・外用薬の両方を使用していて一方だけやめた場合、発毛効果は減少すると予想されますが、人によってはあまり変わらない場合もあります。
他の薬を継続するかどうかでその後の経過は変わる
AGA進行抑制効果のあるフィナステリドやデュタステリドを継続する場合は、ミノキシジルをやめた後も髪の状態を維持できる可能性があります。ミノキシジルで髪が増えたのであれば、増えた状態のまま維持できるかもしれません。
フィナステリドやデュタステリドを使用しなければ、AGAの原因が働き続けることになるので、薄毛は進行します。ミノキシジルを使用して髪が増えていたとしても、増えた分もやがては失われて治療開始前の状態に戻り、時間が経てばさらに薄毛が悪化する可能性が高いです。
ミノキシジルをやめると「リバウンド」する?
ダイエットのリバウンドには、「ダイエットをやめると急速に元の体重に戻る」という意味と、「かえって太りやすい体質になって体重が増える」という意味があります。ミノキシジルをやめ、フィナステリドやデュタステリドも使用しない場合、「元の薄毛に戻る」という意味ではリバウンドします。
髪が治療前の状態に戻るまでの期間はケースバイケースですが、使用中止後1ヶ月〜半年程度で元に戻る場合が多いようです。
「AGA治療薬を使用することで禿げやすい体質になる」ということはありませんが、AGAは進行性なので、「時間がたてばたつほど禿げやすくなる」ということはあります。治療をやめた時点で治療開始前よりも多少「禿げやすく」なっているでしょうし、時間がたてばさらにそうなります。
ミノキシジルを中断してから再開すると効き目に影響する?
ミノキシジルを中断したこと自体が、再開後の効き目に影響するということはありません。しかし、ミノキシジルを中断している期間が長いほどAGAが進行し、ミノキシジルなどの治療薬が効きにくい状態になってしまう可能性はあります。
したがって、なるべく早めに再開するのが得策です。
ミノキシジルだけやめることは可能?
AGA治療薬をすべてやめてしまうと薄毛は悪化する可能性が高いですが、ミノキシジル以外の薬(フィナステリドやデュタステリド)を継続すれば、頭髪の状態維持や薄毛改善を図ることが可能です。
- フィナステリドやデュタステリドを継続するなら「ミノキシジルだけやめて維持」もありうる
- 「フィナステリドやデュタステリドだけ服用」でも薄毛が改善する(毛が太くなる)ことがある
フィナステリドやデュタステリドを継続するなら「ミノキシジルだけやめて維持」もありうる

ミノキシジルをやめても、フィナステリドやデュタステリドを継続していれば、薄毛進行の流れをせき止めて、髪の状態を維持できる可能性があります。
「フィナステリドやデュタステリドだけ服用」でも薄毛が改善する(毛が太くなる)ことがある
フィナステリドはデュタステリドは「AGAの進行遅延(薄毛進行予防・抑制)」の薬として国内承認されていますが、人によっては、AGAで細く短くなっていた毛がしっかりした太い毛に戻り薄毛が改善する場合もあります。
薄毛改善の効果は、薄毛がまだあまり進行していないうちにフィナステリド・デュタステリドを開始した場合に現れることが多く、薄毛が重度になってからではあまり期待できません。
ミノキシジルをやめる前に検討すべきこと
「ミノキシジルをやめたい」と感じるケースでも、やめずに済む場合があります。やめる前に、以下のポイントを検討してみてください。
- 原則:やめる前に医師に相談する
- 効果が感じられない(薄毛が悪化した)場合→「服用期間」「服用方法」「初期脱毛」の確認、「併用」の検討
- 副作用が問題の場合→「薬の変更」「減薬」で対策可能な場合もある
- 治療費や通院の負担が問題の場合→「オンライン診療」という選択肢
原則:やめる前に医師に相談する
市販薬のミノキシジルを使用している場合も、医療機関で処方を受けている場合も、やめたいと思ったらまずは医師に相談しましょう。やめずに続けられる方法やミノキシジルに代わる治療法を提案してもらえる可能性がありますし、やめるタイミングも検討してもらえます。
効果が感じられない(薄毛が悪化した)場合→「使用期間」「初期脱毛」の確認、「併用」の検討
「効果が感じられない」「かえって抜け毛が増えた」という理由でやめたいと考えている場合、以下の点を検討してください。
- 使用期間は十分か:ミノキシジルの効果を実感するには4ヶ月~半年程度は継続が必要なので、まだその期間に達していない場合はこれから効果が出てくる可能性がある
- 使用方法は適切か:決められた量を毎日きちんと使用しているか(飲み忘れ・使い忘れが多いとなかなか効果が出ない)
- 初期脱毛ではないか:初期脱毛ならやめる必要はなく、数ヶ月たてば自然に治まり、徐々に発毛効果が現れてくる可能性がある
- フィナステリドやデュタステリドを併用していない場合:ミノキシジルだけでは薄毛進行を抑えられないことが多いので、併用を検討
- ミノキシジル内服薬・外用薬の一方だけ使用の場合:内服薬・外用薬の併用で効果が高まる可能性がある(とくに進行した薄毛では併用が推奨される)
副作用が問題の場合→「薬の変更」「減薬」で対策可能な場合もある
外用・内服の変更や減薬で副作用を抑えられる場合もあります。
- ミノキシジルの内服薬から外用薬に(外用薬から内服薬に)変更:内服薬と外用薬は作用の仕方が異なるので、変更することで副作用が抑えられる場合がある
- 用量の変更:用量を減らせば副作用のリスクは下がる(外用薬なら濃度15%→5%、5%→1%など、内服薬なら5mg錠→2.5mg錠など)
- 内服薬・外用薬併用の場合:どちらか一方だけにする
治療費や通院の負担が問題の場合→「オンライン診療」という選択肢
対面診療のクリニックに通院してAGA治療を行っている方の場合、オンライン診療に変更することで大幅に治療費を安くできる可能性があります。
オンライン診療では一定期間分の薬を定期的にまとめて決済・配送する「定期配送」のプランがあり、長期のプランほど安くなります。
1年分の定期配送プランだと、「フィナステリド+ミノキシジル内服薬」が1ヶ月あたり3,000円~4,000円程度で利用できます(対面診療の場合の相場は1万円程度)。割引クーポン(初回限定)を使えば1ヶ月あたり2,000円程度で利用できるところもあります。
オンライン診療はスマホやPCのビデオ通話で診察を受け、薬を自宅などに配送してもらう仕組みなので、受診の手間や心理的負担も大幅に軽減できます。
ミノキシジルをやめるタイミング(やめどき)
ミノキシジルは基本的にいつでも好きなときにやめることができますが、やめどきを考慮したほうがよい場合もあります。
- フィナステリドなど継続の場合→好きなときにやめてよい
- フィナステリドなど不使用の場合→急な脱毛・薄毛進行を避けたいなら段階的に減薬
- 女性が妊娠した場合・妊活する場合→すぐに中断(男性は中断不要)
フィナステリドなど継続の場合→好きなときにやめてよい
フィナステリドやデュタステリドを継続する場合、急に薄毛が進行する恐れは低いため、好きなときにやめてもとくに問題はないでしょう。
フィナステリドなど不使用の場合→急な脱毛・薄毛進行を避けたいなら段階的に減薬
フィナステリドやデュタステリドを使わない場合、急に抜け毛が増えたり薄毛が進んだりする可能性があります。急に薄毛が進むと周囲の人の目にとまりやすいです。それを避けたければ、段階的に薬を減らしていったほうがよいでしょう。
女性が妊娠した場合・妊活する場合→すぐに中断(男性は中断不要)
女性の場合、妊娠がわかったタイミングや、積極的に妊活すると決めたタイミングで、すぐにミノキシジルをやめたほうがよいでしょう。
男性は妊活のためにミノキシジルをやめる必要はありません。男性不妊症(EDや射精障害、精液量減少など)の症状・傾向がある方は、フィナステリドやデュタステリドで症状が悪化する恐れがあるため、妊活中はミノキシジルのみにしたほうがよいかもしれません。
ミノキシジル以外のAGA治療法・薄毛ケア
最後に、ミノキシジル以外の治療法・薄毛ケア(ミノキシジルと併用したり置き換えたりできるもの)を簡単にまとめておきます。
- フィナステリド・デュタステリド
- 自毛植毛
- 増毛・ウィッグ
- LED/低出力レーザー、フラクショナルレーザー
- メソセラピー(注射・注入療法)
- 育毛剤
- サプリメント・生活習慣改善
フィナステリド・デュタステリド
AGAは5α還元酵素の働きにより毛包が萎縮することで生じます。毛包が萎縮すると毛が育ちにくくなり、細くて頼りない毛(軟毛)が増えます。毛があまり育たないうちに抜けるようになり、毛の生え替わりも遅れがちになります。
フィナステリドやデュタステリドは5α還元酵素の働きを妨げ、毛包の萎縮と薄毛進行を抑制します(AGA進行遅延効果)。
5α還元酵素の働きがやんだことで毛包が活力を取り戻し、AGAで軟毛化した毛が硬毛(太くしっかりした毛)に戻ったり、硬毛がさらに太くなったりする場合もあります。
早期に服用を開始したほうがよい結果が期待できます。日本人男性523名がフィナステリド1mgを10年間服用し続けた経過を追跡した研究では、以下のような結果が出ています。
- AGA初期(軽度)の段階で服用を開始→薄毛の改善度が高く、10年にわたって改善傾向が続いた
- AGA中期(中等度)の段階で服用を開始→最初の数年は薄毛がかなり改善したが、やがて効果が頭打ちになり、その後はあまり変化しなかった
- AGA後期(重度)の段階で服用を開始→最初の1、2年は少し改善したが、それ以降はまた薄毛が進行した(進行速度はゆっくりで、ある程度薄毛が改善した状態を維持)
参考:Long-term (10-year) efficacy of finasteride in 523 Japanese men with androgenetic alopecia|OAT
自毛植毛
薄毛になっていない自分の頭皮を薄毛部位に移植する手術です。後頭部や側頭部は薄毛になりにくく、AGAがかなり進行しても毛が残りやすいので、後頭部や側頭部から頭皮を採取して小さく「株分け」し、前頭部や頭頂部の薄毛部位に移植します。
自毛植毛のメリット・デメリットは以下の通りです。
- 自分の毛を移植するので「拒絶反応」が起こりにくく、頭皮細胞が生きたまま定着する可能性が高い(人工毛の植毛は定着率が悪く、副作用も大きい)
- 定着した毛は普通の毛と同じように自然に生え替わりを繰り返すので、特別なメンテナンスは不要
- AGA後期で治療薬が効きにくい場合も有効
- 料金が高額
- 頭皮を採取した箇所に傷跡が残る
- 採取できる頭皮は限られる
- 植毛箇所以外の前頭部・頭頂部は薄毛になりやすいので、フィナステリドやデュタステリドの継続が必要
増毛・ウィッグ
増毛やウィッグ(かつら)は、時間をかけずに髪を増やしたい方や治療薬が効きにくい方、副作用で薬が使えない方などにおすすめです。
増毛は、人工毛や人毛を頭髪・頭皮に取り付ける施術です。以下の3タイプがあります。
| タイプ | 施術方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 結毛式 | 少量の毛束を自毛に結びつける | 見た目が自然広範囲の増毛は高額自毛がない部位には使えない |
| 編み込み式 | 網目状の土台を自毛に結びつけて、毛束を土台に固定する | コスパがよい見た目の自然さは結毛式より劣る自毛がない部位には使えない |
| シート式 | 毛束を植え付けたシートを頭皮に直接貼る | 自毛がない(完全に禿げた)部位にも使える体質によっては皮膚トラブルが起きやすい |
どの方式でも、毛束の付け替えなどの定期的なメンテナンスが必要です(有料)。
ウィッグは土台にまとまった量の毛束が植え付けられている製品で、金具やピンで頭に固定します。見た目の自然さでは増毛に劣る場合が多いですが、自分で付け外しができ、メンテナンスの手間・コストもあまりかかりません。
LED/低出力レーザー、フラクショナルレーザー
レーザー・LED照射による治療は2つの方式があります。
- LED/低出力レーザー方式:専用機器を頭部に装着して特定の波長のLED光または低出力レーザーを30分ほど頭皮に照射
- フラクショナルレーザー:レーザーで頭皮に微細な傷を与え、頭皮の新生と発毛を促す(医師による施術が必要)
両方式ともアメリカではかなり普及しており、家庭向けのAGA治療用LED/低出力レーザー機器も販売されています。
LED/低出力レーザー方式は日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で「行うよう勧める」とされていますが、日本ではまだ普及していません。
国内のいくつかのクリニックでフラクショナルレーザー「Folix」による治療が提供されています。ミノキシジルが効きにくい方や副作用で続けられない方に検討をおすすめします。
メソセラピー(注射・注入療法)
ミノキシジルなどの治療薬や細胞増殖を促す成長因子を頭皮に注入する治療法です。注射針を刺して注入する方法と注射針を使わない方法(加圧噴射式など)があります。
メソセラピーは外用薬よりも効率的に薬剤を患部に届けることができ、薬剤が長く患部にとどまってより高い効果を発揮するとされていますが、治療法としてまだ未確立なところがあります。身体へのダメージが外用薬よりも大きく、深刻な副作用が発生した事例もあります。
他の治療法が効かなかった(利用できない)場合には、検討する価値があるかもしれません。
育毛剤
市販の育毛剤には、アデノシンやミノキシジル誘導体、メーカー独自成分などを配合したものがあります。
このなかで医学的に効果が確かめられているのはアデノシンです。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、「男性にはアデノシンの外用を行うよう勧める(女性は行ってもよい)」とされています。
ただし、学会ガイドラインで言及しているのは高濃度(0.75%配合)のアデノシンローションだけです。市販のアデノシン配合育毛剤はほとんどが濃度を表記しておらず、かなり低濃度である可能性が高く、効果は不明です。
ミノキシジル誘導体はミノキシジルと似た構造を持つ物質ですが、作用はまったく異なり、発毛効果は確認されていません。
ミノキシジルが合わない方は、高濃度アデノシンを試してみるとよいかもしれません。
サプリメント・生活習慣改善
発毛・育毛に関係するサプリには、リジンやノコギリヤシ、各種栄養素(ビタミンD・ビタミンB・鉄分・亜鉛・銅・セレンなど)があります。サプリだけで髪が生えることはありませんが、他の治療法の補助としては役に立つでしょう。
バランスの取れた食生活をしていれば、栄養素に関しては十分です。特定の栄養素を過剰に摂取しても髪にいいことはありません。
肥満・メタボや生活習慣病は動脈硬化や頭皮環境の悪化をもたらし、髪の成長や生え替わりに影響します。健康的な食生活や節酒、禁煙、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、薄毛の進行を遅らせ、AGA治療の効果を高めることができると考えられます。
まとめ|ミノキシジルの中止・中断は医師と相談しながら慎重に検討しましょう
ミノキシジルをやめる理由にはさまざまなものがあり、実際にやめるべきかどうか、いつやめるのがよいかは、場合により異なります。

自分で決めてしまわず、医師と相談して中止・中断を検討してください。受診せずに市販薬のミノキシジルで治療していた方も、フィナステリドの併用などを含め、今後の対策について医師に相談してみることをおすすめします。
対面診療を利用していて治療費や通院を負担に感じている方は、ぜひオンライン診療を検討してみてください。

