
インプラント治療を検討するときに気になるのが「治療にどれくらいの期間がかかるのか」という点です。見た目が自然で噛む力も回復しやすい治療法ですが、手術や骨との結合、被せ物の製作など段階を踏む必要があります。
この記事では、一般的なインプラント治療の流れと期間の目安、さらに治療期間が長くなるケースについて解説します。
目次
■インプラント治療にかかる期間
◎上顎と下顎の違いはどれくらい?
インプラントの治療期間は、埋め込む位置によっても異なります。一般的に下顎は3〜4ヵ月、上顎は5〜6ヵ月ほどとされており、上顎の方がやや長めに時間をかけるケースが多くなります。
骨質が柔らかい上顎は固定が安定するまで時間がかかるため、治療期間に幅があります。
ただし、実際の期間は個々の骨の量・密度・全身状態によって変わり、一律ではありません。
※日本歯科医学会編「歯科インプラント治療指針」
◎待つ時間が必要な理由
埋入したインプラント体は、周囲の骨と結合しながらしっかりと安定していく期間(オッセオインテグレーション)が必要です。この過程が十分でない状態で噛む力が加わると、インプラントが緩む・結合不全が起こる可能性があります。
期間中は、生活に支障がないように仮歯を装着し、見た目や咀嚼に配慮することもできます。
■インプラント治療の流れと期間
◎カウンセリング・精密検査(CT撮影)
はじめにカウンセリングを行い、口腔内の状態を確認します。その後、歯科用CTを用いて骨の厚みや高さ、神経・血管の位置を立体的に把握し、インプラント治療が可能かどうかを判断します。
CTデータは治療計画の立案や、埋入位置・角度の設計にも活用され、より精密な治療につながります。初診から治療計画の説明までは、1〜2回の通院で、期間は1〜2週間ほどが目安です。
◎一次手術(インプラント埋入)
局所麻酔を行い、歯ぐきを切開してインプラント体を顎の骨に埋め込みます。手術時間は1本あたり30分〜1時間程度が目安で、多くの場合は日帰りで行われます。埋入後は縫合し、インプラントが骨と結合するまでの治癒期間に入ります。
◎治癒期間(安静期間)
インプラントと骨がしっかり結合するまで、数ヵ月の安静期間を設けます。この期間は強い咬合力を避け、必要に応じて仮歯を使用しながら日常生活を送ります。
◎二次手術(必要な場合)
二回法の場合、骨との結合が確認できた段階で、アバットメント(人工歯の土台)を装着します。処置自体は短時間で終わり、装着後は歯ぐきがなじむまで1〜2週間ほど経過を見ます。
◎人工歯(被せ物)の製作・装着
歯ぐきが整ったら、人工歯を作るための型取りを行います。被せ物が完成したら装着し、噛み合わせなどを最終調整します。型取りから装着完了までは、1〜3週間ほどが一般的な目安です。
■治療期間が長くなりやすいケースとは?
◎歯周病・むし歯の治療が必要な場合
インプラントを長期的に安定させるためには、治療前にお口全体を健康な状態に整えておくことが大切です。
むし歯や歯周病が残っていると、インプラント周囲に炎症が起こるリスクが高まります。
そのため、以下の処置が必要な場合は先に治療を行い、インプラントに進むまで時間を要することがあります。
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むし歯治療(根管治療・被せ物の再製作など)
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歯周病治療(クリーニング・スケーリング・炎症改善)
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抜歯後の治癒期間(数週間〜数ヵ月)
◎顎の骨が足りない・薄い場合(骨造成)
埋め入れるインプラント体を支えるには、骨の厚みや高さが必要です。不足している場合、骨造成と呼ばれる処置を事前に行い、インプラントに進むケースもあります。
【代表的な方法】
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GBR(骨誘導再生法):人工骨などを用いて骨の再生を促す
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ソケットリフト/サイナスリフト:上顎の奥歯付近に骨を足す手術
これらを行うと、治療期間が数ヵ月〜半年ほど延長することがあります。
詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。
骨造成とは? インプラントで骨が足りない・薄い場合に行う治療法
■自分に合ったペースで治療計画を相談しましょう
インプラント治療にかかる期間は、早ければ3ヵ月程度で完了するケースもあれば、骨造成を伴い1年以上かかる場合もあります。治療の進み方は、骨の状態や治癒力、口腔内の環境、全身状態などによって異なります。
疑問や不安がある場合は、カウンセリングの段階で相談しておくことで、無理のない治療計画を立てやすくなります。ご自身の生活リズムに合わせた進め方について、確認しながら検討していきましょう。


