歯を失ったときの治療法として、かつては「入れ歯」が主流でした。しかし近年では、「インプラント」を選ぶかたが増えています。
なぜ今、入れ歯よりもインプラントが支持されているのでしょうか?
この記事では、両者の違いを整理しながら、インプラントが選ばれる理由と5つの主なメリット、そしてデメリットや注意点についても紹介します。
目次
■入れ歯とインプラントの違い
入れ歯は、歯ぐきの上に装着して使う取り外し式の人工歯です。
比較的短期間で作成でき、保険適用の選択肢もありますが、以下のような課題があります。
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噛む力が弱くなる
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外れやすいと感じることがある
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顎の骨が痩せやすい
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バネなどが見えて見た目が気になる
一方のインプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法。手術は必要ですが、安定性・審美性とともに高く、他の歯に負担を与えない点や、「自分の歯のように噛める」感覚が得られるのが大きな特徴です。
■インプラントが選ばれる5つの理由
◎インプラントのメリット1:しっかり噛める
インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、硬い食べ物も自分の歯のように噛めます。
入れ歯だと食事制限を感じやすいかたも多いですが、インプラントなら食べたい物を楽しみやすく、食生活の満足度が高まります。
◎インプラントのメリット2:見た目が自然
インプラントは天然歯に近い見た目を再現できるため、自然です。入れ歯のようにバネが目立つこともなく、人前でも気にせず笑ったり会話を楽しめます。装着時の違和感が少ない点もメリットです。
◎インプラントのメリット3:顎の骨が痩せにくい
歯を失ったままにしたり入れ歯を使い続けると、骨に適切な刺激が伝わらないため、顎の骨が徐々に痩せていくリスクがあります。
インプラントは噛むことで人工歯根が骨に刺激を与えるため、骨の吸収を防ぎやすいとされています。結果、将来的な顔の輪郭維持にもつながります。
◎インプラントのメリット4:周囲の歯を守れる
ブリッジは隣の健康な歯を削って支えにしますが、インプラントは独立して機能します。そのため残っている歯に余計な負担をかけずに治療でき、結果として自分の歯を長持ちさせやすくなります。
◎インプラントのメリット5:長期間できる場合が多い
入れ歯は、骨・歯ぐき・噛み合わせの変化で徐々に合わなくなる場合があるため、数年ごとに作り替えが必要になるケースがあります。
一方インプラントは、正しくケアすれば10年以上使い続けられる例も多くあります。定期的な歯科検診と毎日の清掃を続けることで、長期的な使用が期待できます。
■インプラントのデメリット・注意点
インプラントは外科手術が必要で治療期間も数ヵ月かかります。また、自由診療のため費用は入れ歯より高額になります。
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手術が必要
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治療期間が長め(数ヵ月~半年以上かかることも)
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保険がきかないため、費用は自己負担
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定期的なメンテナンスが必要
また、糖尿病や喫煙などの影響で、インプラントが定着しにくくなることもあるため、事前に精密な検査が必要です。
■なぜインプラントを選ぶ人が増えているのか?
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入れ歯が外れやすくて不便
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見た目が気になって笑えない
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しっかり噛んで食べたい
こういった悩みを抱える中高年層を中心に、インプラントへの関心が高まっています。
近年ではCTによる診断精度の向上や手術の安全性の進歩により、60代〜70代のかたでも安心して受けられるメリットの多い治療法です。
■自分に合った歯科治療で楽しい食事を
入れ歯には手軽さや保険適用という利点がありますが、噛む力や見た目を重視するかたにはインプラントはメリットの多い治療法です。
治療法に迷ったときは、それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を歯科医と相談することが大切です。
当院では、精密な検査と丁寧なカウンセリングで、患者さま一人ひとりに合った治療法を提案しています。入れ歯でお困りのかたやインプラントを検討中のかたは、ぜひ一度ご相談ください。