つむじはげは男性AGAの典型的なはげ方のひとつで、頭頂部(頭のてっぺん)で薄毛が徐々に進行していきます。初期のうちはなかなか自分では気づきにくく、ある程度進行してから気づくケースが多いです。逆に、正常なつむじをつむじはげだと勘違いしてしまうケースもあります。
つむじはげの治し方については、メディアなどでさまざまな方法が紹介されますが、つむじはげの原因を考えると、効果が疑わしいものも少なくありません。
この記事では、つむじはげかどうか判断する基準やつむじはげの原因をくわしく解説し、それに基づいて本当に効果的な治し方を紹介していきます。
つむじはげとは?症状や発症年齢について
まずは、つむじはげがどのような症状なのか確認し、進行パターンや発症年齢などについて解説します。
- つむじはげは頭頂部(つむじ周り・てっぺん)で起こる進行性の薄毛
- つむじはげはM字はげとともに男性AGAでよく見られる
- つむじはげはAGA中期以降に発症する例が多いが、つむじからはげるタイプもある
- 40代以降に多いが、20代で発症する例もある
つむじはげは頭頂部(つむじ周り・てっぺん)で起こる進行性の薄毛
つむじはげは頭頂部(頭のてっぺん)の髪が徐々にはげていく症状です。最初はつむじ近辺の髪が薄くなり、徐々に薄毛の範囲が広がりつつ、髪の密度が低下していきます。
最終的に薄毛がどこまで広がるかは人それぞれです。最悪の場合、頭頂部の全体にわたって髪がほとんどない状態になります。
つむじはげはM字はげとともに男性AGAでよく見られる
男性AGAの症状は主に頭頂部と前頭部(前髪周辺)で起こり、以下のいずれかのパターンで進むことが多いです。

- 頭頂部中心に薄毛が進むパターン(前頭部では進行が遅い)→つむじはげ・O型
- 前頭部中心に薄毛が進み、生え際の両端が先行して後退していくパターン(頭頂部では進行が遅い)→M字はげ・M型
- 前頭部の生え際が均等に後退していくパターン(頭頂部では進行が遅い)→U字はげ・U型)
つむじはげ(A)は、薄毛が丸い形に広がるので「O型(O字はげ)」とも呼ばれます。前頭部の進行は比較的穏やかですが、時間とともに多かれ少なかれ前頭部の生え際も後退していくのが一般的です。最終的に頭頂部の薄毛と前頭部の薄毛がつながり、おでこから頭のてっぺんにかけて全体的にはげる方もいます。
つむじはげはAGA中期以降に発症する例が多いが、つむじからはげるタイプもある
AGAは前頭部から始まるのが一般的です。つむじはげの場合も、まずは多少前髪の生え際が後退してから頭頂部が薄くなるケースが多いですが、人によっては生え際の後退がほとんど目立たず、頭頂部から薄毛が始まったように見えることもあります。
40代以降に多いが、20代で発症する例もある
日本人男性のAGA発症頻度は、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%とされています。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年度版)|日本皮膚科学会
つむじはげはAGAがある程度進行してから目立ってくることが多く、典型的には40代以降に見られます。進行の速い方や、つむじからはげ出すタイプの方は、30代や20代でもつむじはげになることがあります。
どこからがつむじはげ?診断基準や「思い込み」「つむじ割れ」との違い
初期のつむじはげは正常なつむじと見分けるのが難しいことがあるので、ここでくわしく見分け方を紹介します。他の脱毛症と見分けるポイントについても解説します。
- セルフチェックの方法|合わせ鏡やスマホ撮影で頭頂部を観察
- つむじはげの基準① つむじ周りの髪の密度が低下し、地肌が透けて見える
- つむじはげの基準② つむじ周りの毛が他の部位より細い/コシがない
- つむじはげの基準③ 抜け毛に細い毛が混じる(「本数」ではなく「太さ」が重要)
- つむじはげの基準④ つむじ周りがだんだんと薄くなってきた(急激でない)
- つむじはげの基準⑤ 頭頂部・前頭部以外や体毛は薄くなっていない
- 「思い込み」「気にしすぎ」の場合|生まれつきつむじが大きい方などつむじ割れとつむじはげの違い
セルフチェックの方法|合わせ鏡・スマホ撮影で観察
頭頂部は合わせ鏡に映すか、スマホで写真・動画に撮って観察するのがおすすめです。
洗面台・化粧台・姿見などの大きめの鏡と手鏡を合わせ鏡にすれば、手軽に頭頂部を観察できます。頭頂部が見やすいように作られた折りたたみ式の3面鏡・4面鏡も販売されています。
写真・動画の場合、光の加減で写り方が変化するので、自然光がたっぷり入り込んだ部屋など、全面的に明るい場所で撮影するのが理想的です。単一の照明が真上から強い光を落としているような場所で撮影したり、カメラのフラッシュでつむじを強く照らして撮影したりすると、地肌が実際以上に透けて写ることがあります。
初期のAGAでは、現状だけ見て判断するのは難しい場合が少なくありません。過去の写真・動画と比べるか、今から定期的に撮影を行って経過を観察するとよいでしょう(AGAはゆっくり進行するので、1年~数年程度、気長に撮影と観察を続ける必要があります)。
つむじはげの基準① つむじ周りの髪の密度が低下し、地肌が透けて見える

正常なつむじでは、中心に少しだけ地肌が見えた場所があって、その周りにしっかりした太い髪の毛がきれいな渦を巻くようにして伸びています。つむじ周辺の髪の密度が低下し、つむじの中心以外でも地肌が透けて見えていたら、つむじはげの可能性があります。
AGAでは前髪の生え際も薄くなることが多いので、あわせてチェックしておきましょう。
つむじはげの基準② つむじ周りの毛が他の部位より細い/コシがない
AGAでは前頭部や頭頂部の髪が育ちにくくなり、産毛のように細くて頼りない毛(軟毛)しか生えなくなっていきます。
つむじ周辺の髪に細くて頼りない毛が多数混じっていたり、他の部位に比べて髪の毛にコシがないように感じたれたりしたら、AGAによるつむじはげの可能性があります。
前頭部の生え際(とくに両端)で軟毛が増えていないかどうかも、あわせてチェックしましょう。両方で軟毛化が見られる場合、AGAの可能性が高いです。
つむじはげの基準③ 抜け毛に細い毛が混じる(「本数」ではなく「太さ」が重要)
抜け毛は誰にでも自然に起こる現象ですが、AGAでは「あまり育っていない毛」が抜けるようになります。抜け毛の太さにバラツキがあり、細くて頼りない感じの抜け毛が多数混じっているようなら、AGAの可能性があります。
「AGA=抜け毛が増える」というイメージがあるかもしれませんが、AGAと抜け毛の本数には明確な関係がありません。実際には、「AGA=毛が育ちにくくなる症状」です。健康な頭皮ではしっかり育った毛が主に抜けますが、AGAでは十分に育っていない毛も多く抜けるようになります。
抜け毛の本数を数えるよりも、抜け毛のなかに細くて頼りない毛が混じっていないかどうかチェックしたほうが、判断の参考になります。
つむじはげの基準④ つむじ周りがだんだんと薄くなってきた(急激でない)
基準④と基準⑤は、AGAとそれ以外の脱毛症を見分けるための基準です。
AGAではつむじ周りやおでこの生え際からゆっくりと薄毛が進行していきます。急激な脱毛はAGA以外の脱毛症によるものである可能性が高いです。
例えば、頭髪の一部が急にごっそりと抜けてつるつるした頭皮が現れたという場合、円形脱毛症の可能性があります。数週間〜数ヶ月程度の間にみるみる髪が減ってきたという場合は、休止期脱毛症や甲状腺機能異常による脱毛症が疑われます。
つむじはげの基準⑤ 頭頂部・前頭部以外や体毛は薄くなっていない
男性のAGAでは主に頭頂部や前頭部で薄毛が進行し、後頭部や側頭部の髪は最後まで残るのが一般的です(女性の薄毛では側頭部も薄くなることがあります)。また、体毛は薄くなりません。
頭髪全体が薄くなった場合や、頭髪だけでなく体毛も薄くなった場合、原因はAGA以外(甲状腺機能異常や薬剤の副作用など)である可能性が高いです。
「思い込み」「気にしすぎ」の場合|生まれつきや寝癖、「つむじ割れ」など
つむじの大きさや周辺の髪の生え方には個人差があり、生まれつきつむじが目立ちやすい人もいます。また、髪が濡れていたり、つむじ周りが寝癖でつぶれていたり、限られた照明で頭部を撮影したりすると、つむじ周辺の地肌が目立って見えることがあります。
そうしたことから、正常なつむじを「初期のつむじはげ」と誤解してしまうケースも少なくありません。
つむじ周りが微妙に薄くなったように感じた場合、基準②と③をよくチェックしてみてください。
- 基準②:つむじ周りの毛が軟毛化していないかどうか
- 基準③:抜け毛に細い毛が混じっていないかどうか
基準②・③に当てはまっていなければ、AGAではなく「思い込み」の可能性があります。
つむじ割れとつむじはげの違い
つむじ周りの髪が左右や斜めにぱっくりと割れて、地肌が目立っている状態を、「つむじ割れ」といいます。
初期のつむじはげで髪の密度・コシが少し低下している場合、つむじ割れが発生しやすくなります(進行したつむじはげでは薄毛が広範囲にわたるので、つむじ割れとはまた違った感じになります)。
薄毛とは関係なく、生来の髪の生え方や、髪型・寝癖などの一時的な問題が原因となってつむじ割れが発生する場合も少なくありません。つむじ周辺の髪の密度低下や軟毛化、細い抜け毛の増加が起こっていなければ、AGAではない可能性が高いです。
つむじはげの原因
ここでは、つむじはげの発症原因をまとめます。原因を知れば、どんな対策が効果的か理解できるようになります。
- AGAによるつむじはげは、主に遺伝的体質が原因で発症
- AGAでは頭髪の毛包が男性ホルモン・5α還元酵素の作用で萎縮
- 栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはないが、補助的な要因にはなる
- 頭皮の皮脂蓄積や毛穴のつまりでAGAが発症することはない(毛包炎の悪化要因にはなる)
AGAによるつむじはげは、主に遺伝的体質が原因で発症
AGAの発症しやすさや進行スピードは、主に遺伝で決まります。AGAの遺伝率は80%程度とされており、親族(親や祖父母、兄弟姉妹など)にAGAの人がいる場合、自分もAGAになる可能性が高くなります。
とくに大きな影響力を持つとされているのは、毛包の細胞にある男性ホルモン受容体の遺伝子です。毛包は毛を生み出す組織で、一つ一つの毛穴の奥に存在します。頭髪の毛包にある男性ホルモン受容体に男性ホルモンが結合すると、毛包を萎縮させる反応が起こり、AGAにつながります。
頭頂部の毛包のなかに、男性ホルモン受容体をたくさん生成するタイプの遺伝子を持っている人は、つむじはげになりやすいです。
他にも、AGAに関係すると思われる遺伝子がいろいろと見つかっています。
参考:Androgenetic Alopecia in Men: An Update On Genetics|Indian Journal of Dermatology
AGAでは男性ホルモン・5α還元酵素の作用で頭髪の毛包が萎縮
血液中にはテストステロン(主要な男性ホルモン)が浮遊しており、これが血流に乗って頭髪の毛包に到達し、男性ホルモン受容体と結合すると、毛包を萎縮させる反応が引き起こされます。
普通のテストステロンは受容体とあまり結合しないので、髪への影響は小さいです。しかし、毛包の細胞にある5α還元酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変化すると、受容体と強く結合するようになり、AGAの大きな要因となります。

- テストステロン+5α還元酵素→DHT→男性ホルモン受容体に結合→毛包が萎縮→髪の軟毛化、密度低下、生え替わりの遅延が発生し、薄毛が進行
栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはないが、補助的な要因にはなる
栄養不足は髪の成長にとってよくありませんし、慢性的なストレスは活性酸素の増加などをもたらし、頭皮の健康を害することがあります。しかし、栄養不足やストレスだけでAGAが発症することはありません。
AGAになりやすい遺伝的体質を持つ人は、とくに栄養不足やストレスがなくても、いつかはAGAを発症することになるでしょう。遺伝的体質に栄養不足やストレスが加わると、AGAの発症・進行が早まる可能性があります。
なお、極端な栄養不足や、外科手術・大病などによる大きな身体的ストレスで脱毛症が発生することがありますが、これは休止期脱毛症の一種で、AGAとは異なります。休止期脱毛症では脱毛が急激で、部位に関係なく発症します。
頭皮の皮脂蓄積や毛穴のつまりでAGAが発症することはない(毛包炎の悪化要因にはなる)
「頭皮に皮脂や汚れが蓄積して毛穴がつまるとAGAの原因になる」というイメージが流布していますが、これは俗説であり、医学的な根拠はありません。
頻繁な洗髪・ブラッシング・マッサージなどのケアが頭皮にとってかえってストレスとなり、AGAの補助的な進行要因となる可能性すらあります。
毛包にできる炎症(毛包炎)が悪化すると、一時的な脱毛症が生じることがあります。皮脂の蓄積や毛穴のつまりは毛包炎の悪化要因ですが、毛包炎悪化で生じる脱毛症は休止期脱毛症の一種で、AGAとは異なります。
つむじはげは治る?治らない?
つむじはげには医学的に効果が確かめられた治療法が存在します。ただし、進行度によっては効果がかなり限定されます。また、自然治癒や自力ケアによる改善は期待できません。
- AGAのつむじはげは遺伝の影響で発症するため自然には治らない
- 頭皮マッサージなどの自力ケアで治すことはできない
- 内服薬・外用薬や外科治療でつむじはげを改善することが可能
- ただし薄毛が進行しすぎると治療薬が効きにくくなる
- 食生活改善やサプリ摂取、ストレス解消なども補助的な対策として有効
AGAのつむじはげは遺伝の影響で発症するため自然には治らない
AGAは遺伝的体質がベースとなり、加齢によるホルモンバランス変化や身体組織の老化などが加わって発症します。そのため、自然に治ることはなく、放置すれば薄毛が進行していきます。
頭皮マッサージなどの自力ケアで治すことはできない
頭皮マッサージやブラッシング、市販の育毛シャンプー・育毛剤、睡眠改善など、自分でできる薄毛ケアがいろいろとメディアで紹介されています。しかし、こうしたケアはAGAの原因や発症メカニズムに影響を与えるものではなく、医学的には効果が不明です。
育毛剤のなかでは、高濃度(0.75%)のアデノシンを配合したものが、医学的に治療効果が確かめられています。しかし、市販のアデノシン配合育毛剤は濃度が明記されていない製品がほとんどで、実際には低濃度のアデノシンしか配合されていないと思われます(高濃度配合ならそのように表記して宣伝するはずです)。
低濃度であっても、「医学的に効果が確かめられた成分を配合」といった紛らわしい表現で売られていることがあるので、注意が必要です。
内服薬・外用薬や外科治療でつむじはげを改善することが可能
後ほどくわしく紹介しますが、AGAの発症メカニズムや毛の成長プロセスに直接アプローチする内服薬・外用薬が開発されて、広く用いられています。これらの薬により、AGAの進行抑制やつむじはげの改善を図ることができます。
自分の頭皮を薄毛部位に移植する自毛植毛術や、レーザー治療など、外科的な治療法も存在します。自毛植毛は比較的昔から行われていて実績のある治療法で、薄毛がかなり進行した方でも適用可能な場合が多いです。
現在のところ、AGAの原因となる遺伝子そのものを治療する方法はありません。将来的にはAGAの遺伝子治療も登場するかもしれません。
ただし薄毛が進行しすぎると治療薬が効きにくくなる
内服薬・外用薬は早期に使用を開始したほうが高い改善度を期待できます。AGAが進行してからでは効果は限定されてしまい、少し改善しただけで効果が頭打ちになったり、しばらくするとまた薄毛が悪化したりする可能性が高くなります。
内服薬・外用薬による治療はできるだけ早めに開始することが重要です。
食生活改善やサプリ摂取、ストレス解消なども補助的な対策として有効
栄養不足やストレスはAGAの主要な原因ではないため、それらを改善するだけでAGAを治すことはできませんが、多少は進行を遅らせることができるかもしれません。
また、内服薬・外用薬による治療と並行して食生活改善やサプリによる不足栄養素の摂取、ストレス解消に取り組めば、より効果的な治療につながるでしょう。
AGAや髪の成長に関係する栄養素としては、ビタミンD、ビタミンB、亜鉛、鉄、銅、セレンなどが挙げられます。
内服薬・外用薬によるつむじはげの治し方
内服薬・外用薬による治療はAGAの最も標準的な治し方です。各治療薬の働きと効果的な用い方、おすすめの入手方法を解説します。
- フィナステリドとデュタステリド|5α還元酵素の作用を阻害し毛包萎縮を抑制
- ミノキシジル|毛包を活性化して発毛と毛の成長を促進
- フィナステリド/デュタステリドとミノキシジルの併用で効果アップ
- AGAの進行度と治療薬の選択方法
- 治療薬の入手方法|市販・対面診療・オンライン診療・個人輸入代行の比較
フィナステリドとデュタステリド|5α還元酵素の作用を阻害し毛包萎縮を抑制
フィナステリドとデュタステリドは5α還元酵素の作用を阻害する内服薬です。フィナステリドやデュタステリドを飲んでいるとテストステロンからDHTへの変換が起こりにくくなり、毛包の萎縮が抑制されます。
AGAは進行性の薄毛なので、まずはその進行を止めるのが先決です。AGA進行抑制効果のため、フィナステリドとデュタステリドはAGA治療の基本薬とされています。
フィナステリドとデュタステリドはAGAの進行を抑制するだけでなく、軟毛化していた毛を太くしっかりした毛に戻し、薄毛を改善してくれる場合もあります。
AGAの原因となる5α還元酵素には2種類あり、フィナステリドは一方のみ、デュタステリドは両方に効きます。そのため、デュタステリドの方が高い効果が期待できます。
ミノキシジル|毛包を活性化して発毛と毛の成長を促進
ミノキシジルはAGAの発症メカニズムには関与せず、別の側面から毛包を活性化して、毛の成長と生え替わりを促進します。
ミノキシジルには外用薬(塗りミノ)と内服薬(ミノタブ)があり、効果は同等で、副作用は内服薬のほうがやや出やすいとされています。ミノキシジル内服薬は国内未承認なので、海外製治療薬を扱うクリニックなどで入手する必要があります。
ミノキシジルの外用薬と内服薬は併用可能です。併用して身体の外側と内側から毛包に働きかけることで、発毛・育毛効果を高めることができます。
フィナステリド/デュタステリドとミノキシジルの併用で効果アップ
ミノキシジルだけの治療ではAGAの進行が抑制できないので、ミノキシジルの作用とAGAの毛包萎縮作用が相殺されてしまい、治療効果が現れにくい場合が多いです。ミノキシジルは単体で用いるのではなく、フィナステリドかデュタステリドと併用するのが標準的な治療法です。
一方、フィナステリドやデュタステリドは単体でも十分に進行抑制効果と薄毛改善効果を発揮するケースがあります(とくにAGA初期の場合)。ミノキシジルを併用すれば薄毛改善効果が高まり、より幅広いケースに対応できます。
つむじはげの進行度と治療薬の選択
AGA初期〜中期であれば、内服薬・外用薬による治療で対応できるケースが多いです。AGA後期になると治療薬による改善はあまり期待できないので、自毛植毛などを検討したほうがよいでしょう。自毛植毛を受けた場合も、植毛部位以外での薄毛進行を抑制するためフィナステリドかデュタステリドの服用が推奨されます。

| AGA進行度 | 症状 | 推奨される治療法 |
|---|---|---|
| 初期 | つむじ周りが少し薄くなり出しただけで、前頭部の生え際はまだほとんど後退していないか、若干M字気味になっている程度 | フィナステリドまたはデュタステリド (薄毛改善を早めたい場合はミノキシジルを併用) |
| 中期 | 頭頂部の薄毛がつむじから離れたところにまで広がっている または、頭頂部の薄毛はそれほど広がっていなくても、前頭部の生え際がはっきり後退してM字が深くなっている | フィナステリドまたはデュタステリド+ミノキシジル (効果を高めたい場合はミノキシジルの外用薬と内服薬を併用) |
| 後期 | 頭頂部や前頭部が全体的に薄くなっている | 自毛植毛+フィナステリド/デュタステリド など |
治療薬の入手方法|市販・対面診療・オンライン診療・個人輸入代行の比較
AGA治療薬の入手先には4つの選択肢があり、取り扱い内容やサービスの特徴が異なります。
| 入手先 | 市販 | 対面診療 | オンライン診療 | 個人輸入代行 |
|---|---|---|---|---|
| 取り扱い | 国内製ミノキシジル外用薬のみ | 治療薬全般(主に国内製) | 治療薬全般(国内製・海外製) | 治療薬全般(海外製) |
| 購入方法 | ドラッグストア店頭やAmazonなどの市販サイトで自分で選ぶ | 医療機関に通院し、院内処方・調剤薬局で購入 | オンラインで処方してもらい、自宅で受け取る | オンラインで注文(海外とのやり取りは業者が代行) |
| 価格相場 | 標準的~高め | 標準的~高め | 安め~標準的 | 安め |
| 特徴 | 手軽に入手できる通販なら誰とも会わずに入手できる | 各種検査や外科治療にも対応 | スマホやPCなどのビデオ通話でスキマ時間に受診できるプライバシーが守りやすい 診察の翌日~数日後には入手可能1年単位の定期購入で料金がかなりお得になる | 手軽に注文でき、費用相場は最安 |
| 注意点 | フィナステリドやデュタステリドは買えないので、別の入手先が必要 | 1ヶ月~数ヶ月ごとに通院が必要他の患者やスタッフと顔を合わせる必要がある 料金が高めのところが多い | 血液検査などは受けられない お得な定期購入プランでは一度にまとまった費用がかかる | 偽造薬が送られてくるリスクがある 海外発送で、到着まで1~2週間かかる 量によっては税関で止められることがある |
※国内製=国内承認済み治療薬(製造場所は国内とは限らない)
安全性・利便性・価格のバランスを考えると、一般的にはオンライン診療クリニックがおすすめです。とくにフィナステリド/デュタステリドの単品やミノキシジル内服薬とのセットが安めで、市販薬よりも高濃度のミノキシジル外用薬を扱っているところもあります。1年単位の定期配送プランを選ぶと非常にお得な料金で利用できる場合が多いです。
肝機能障害がある方は内服薬の処方前に血液検査が必要になるので、(少なくとも初回は)対面診療クリニックを利用したほうがよいでしょう。
市販では国内承認済みミノキシジル外用薬(男性向け濃度1%・5%、女性向け濃度1%)しか買えず、本格的な治療には不十分です。オンライン診療のお得なプランでフィナステリドかデュタステリドを入手し、ミノキシジル外用薬のみ市販で買う、という利用方法がおすすめです。
個人輸入代行は偽造薬などのリスクがあり、トラブルが起きてもすべて自己責任(海外業者との直接交渉が必要)なので、おすすめできません。
外科治療によるつむじはげの治し方
AGAの外科治療は、内服薬・外用薬で効果が十分に得られなかった方におすすめの治し方です。今後は家庭向けのレーザー治療器が普及し、内服薬・外用薬と同じように手軽に利用できるようになる可能性もあります。
- 自毛植毛|健康な自分の頭皮を移植。後期AGAにも適用可能
- LED/低出力レーザー|毛包幹細胞を活性化して髪の成長を促進
- フラクショナルレーザー|頭皮の新生により発毛を促進
- メソセラピー|治療薬や成長因子を頭皮に注入
自毛植毛|健康な自分の頭皮を移植。後期AGAにも適用可能
AGAでは後頭部・側頭部は薄くなりにくく、最後まで残るのが一般的です。自毛植毛では、薄毛になりにくい後頭部・側頭部の頭皮を採取して、細かく「株分け」し、自然な頭髪に見えるように薄毛部位に移植します。
治療薬が効きにくい方でも、自毛植毛であれば薄毛を改善できる場合が多いです。ただし、薄毛があまりに広範囲にわたっていると、十分にカバーできないか、頭皮を採取した部分の傷跡が目立ってしまう可能性があります。
移植した頭皮は薄毛になりにくいですが、もとからある前頭部・頭頂部の頭皮は薄毛になりやすいので、これ以上薄毛が進行しないようにフィナステリドかデュタステリドの服用が推奨されます。
LED/低出力レーザー|毛包幹細胞を活性化して髪の成長を促進
専用機器を用いてLED光や低出力のレーザーを頭皮に照射し、毛包にある幹細胞を活性化して発毛と髪の成長を促進します。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、「有用性を示す十分な根拠があり、副作用も比較的軽微であることから、適切な機材を使用して行うよう勧める」としています。しかし、日本ではまだあまり普及していません。
アメリカではかなり普及しており、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認証された家庭向けLED/低出力レーザー治療器も多数販売されています。
いくつかの代理店がFDA認証済み機器を輸入販売しており、ネットで注文できます。今後は日本でもLED/低出力レーザー治療器が普及していく可能性があります。
フラクショナルレーザー|頭皮の新生により発毛を促進
レーザーを照射して頭皮に微細な傷を与え、発毛力のある健康な頭皮の再生を促します。LED/低出力レーザーと違い、医師による施術が必要です。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」には記載がありませんが、アメリカではFDA認証済みのフラクショナルレーザー治療器が普及しています。
日本でも、いくつかのクリニックでFDA認証済みレーザー治療器「Folix」による治療が提供されています。
メソセラピー|治療薬や成長因子を頭皮に注入
ミノキシジルなどの治療薬や成長因子を頭皮に注入し、発毛と髪の成長を促進します。細胞増殖を促す成長因子などを用いて頭髪に再生医療を施すことができるのが、大きな特色です。
AGAに対するメソセラピーは比較的多くのクリニックで提供されており、他の治療法では十分に治療できない場合には、検討する価値があると言えるでしょう。
ただし、まだ発展途上の治療法であり、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、「現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため、行わない方がよいことにする」としています。海外の研究では、悪性腫瘍や永続的な脱毛などの深刻な副作用が生じた例も報告されています。
日本皮膚科学会のガイドラインは初版が2010年発行、最新版が2017年発行なので、近いうちに改訂版が発行される可能性があり、メソセラピーに関する記載がどのように変更されるか注目されます。
つむじはげに関してよくある質問
最後に、つむじはげに関してよくある質問を取り上げて解説します。
- はげてない人の正常なつむじとはげたつむじの違いは?
- 高校生でもつむじはげになる?
- 射精しすぎるとつむじはげになる?禁欲で改善する?
- 女性もつむじはげになる?治療法は?
まとめ|早めに受診して内服薬・外用薬による治療から始めていきましょう
つむじはげは遺伝的体質が主な原因となって発症するため、自然には治らず、頭皮マッサージなどの自力ケアでは改善できません。医学的に効果が確かめられた治療法には、内服薬・外用薬による治療と自毛植毛などの外科治療があり、まずは内服薬・外用薬による治療から始めるのが一般的です。
ミノキシジルの外用薬のみ市販もされていますが、ミノキシジルだけでは薄毛の進行を止められないので、医療機関でフィナステリドやデュタステリドも処方してもらうことをおすすめします。
内服薬・外用薬は薄毛があまり進行しないうちに始めたほうが高い改善度を期待できるため、できるだけ早めに医療機関を受診して治療を開始してください。肝機能障害などの特別な事情がなければ、安全性・利便性が高くてコスパもよいオンライン診療がおすすめです。


