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抜け毛が多い原因は?正常と異常の見分け方や原因別の対策を解説

正常な頭皮でも抜け毛は毎日発生していますが、さまざまな原因で抜け毛が異常に多くなることがあります。異常な抜け毛が発生する原因には、心身のストレスや慢性的な病気、薬の副作用、きつく縛る髪型などがあります。

正常な頭皮でも季節によって一時的に抜け毛が増えることがあり、抜け毛の量は個人差も大きいです。実際には増えていなくても、抜け毛や薄毛が気になるあまり、増えたように感じることもあります。

この記事では、正常な抜け毛と異常な抜け毛を見分けるための基準や抜け毛の原因をくわしく解説し、それに基づいて抜け毛の治し方や予防方法を紹介します。

目次

正常な抜け毛と異常な抜け毛の違い

正常な頭皮でも毎日かなりの本数の抜け毛が発生しているので、異常な抜け毛かどうかを判断するには正常な抜け毛の特徴を知っておく必要があります。ここでは、正常と異常の違いや抜け毛のセルフチェック方法、医師に相談すべきかどうか判断する基準についてまとめます。

正常な抜け毛と異常な抜け毛の違い
  • 正常な頭皮でも1日に50~100本程度は抜ける
  • 抜け毛の数は時期で変動し、個人差も大きい
  • 正常な抜け毛は太く、根元に膨らみがある
  • 抜け毛のセルフチェック方法
  • 医師に相談したほうがよいケース

正常な頭皮でも1日に50~100本程度は抜ける

抜け毛は髪の生え替わりに伴って発生し、正常な頭皮でも1日に50〜100本程度は抜けます。1日50本とすると月に1,500本程度、1日100本なら月3,000本程度も抜けているわけで、相当な量です。

毛は洗髪時やブラッシング時に比較的まとまって抜け、起床時に枕に何本か抜け毛が残っているのに気づくこともあります。これらのタイミングでは抜け毛を数えやすいですが、日中の抜け毛は知らないうちに発生して落下してしまうことが多く、全数を把握するのは困難です(家の中でも難しいですし、外出先では現実的に不可能でしょう)。

抜け毛は気にすればするほど目に付くので、実際には増えていないのに増えたと思い込んでしまうケースもあります。

抜け毛の数は時期で変動し、個人差も大きい

抜け毛の数は時期によって変動することがあります。とくに、季節による変動がよく知られており、夏から秋にかけて抜けやすくなると言われています。

また、生えている頭髪の数も抜け毛の数も、個人差が大きいです。正常な状態で1日に50本くらいしか抜けない人もいれば、100本、150本と抜けている人もいます。季節変動にも個人差があります。

正常な抜け毛は太く、根元が丸い

正常な頭皮では、毛が育ちきってから抜けるので、抜け毛は太くてしっかりしています。また、抜け毛の根元に小さな膨らみがあります。膨らみの周りに白っぽい半透明の物質(毛根鞘)が付着していることもあります。

抜け毛のセルフチェック方法

抜け毛の「数」「増え方」「根元の状態」「太さ」をチェックすることで、異常の有無や原因を推測できます。

抜け毛を数える

抜け毛の全数を把握するのは困難ですが、抜け毛が発生しやすいタイミングに絞って数えることで、おおよその本数を把握できます。

医師に相談したほうがよいケースのは以下のようなタイミングです。

医師に相談したほうがよいケース
  • 洗髪時
  • ドライヤーをかけたとき
  • ブラッシング時や、手で髪をとかしたとき・いじったとき
  • 帽子やヘアアクセサリー・ヘアゴムを外したとき
  • 首を通す服(Tシャツなど)を着脱したとき

これらを行う際には抜け毛によく注意し、発生した抜け毛は袋などに集めておいて、1日分の数をカウントしてください。抜け毛を見失わないよう、洗髪時には排水口にガーゼやネットを被せ、ドライヤーやブラシを使うときには明るい色の布などを広げその上で行うようにするとよいでしょう。

1日分が100本以下の場合、本数に関しては正常の範囲内と言えるでしょう。

100本を越えても、必ずしも異常というわけではなく、個人差や季節差の可能性もあります。1日300本などの大量の抜け毛が発生した場合や、髪の一部がごっそりとまとまって抜けた場合は、医師に相談したほうがよいでしょう。

抜け毛の増え方をチェック

何らかの異常によって抜け毛が増える場合、かなり急激に起こることが多いです。ある時点で急にこれまでには見られなかった大量の脱毛が発生したり、数週間〜数ヶ月程度の期間で髪の密度がみるみる低下したりします。

ただし、髪をきつく引っ張るタイプの髪型が原因となる「牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)」では、脱毛が徐々に進行することがあります。きついポニーテールや編み込みなど、髪を引っ張るヘアスタイルを常日頃している人は、頭皮が引っ張られやすい部位(おでこ・こめかみ・耳の上の生え際、編み込み周辺)に注目し、抜け毛が増えたり髪が薄くなっていたりしないかチェックしてください。

抜け毛の根元の状態をチェック

根元に膨らみがない毛が抜けた場合、毛根が炎症などでダメージを受けて損傷している可能性があります。例えば、円形脱毛症では毛根が炎症で損なわれるため、膨らみのない毛が抜けます。

参考:病気を知る 脱毛症|慶應義塾大学病院

ただし、切れ毛と抜け毛を混同しないよう注意が必要です。切れ毛は途中で切れた毛なので、毛根の膨らみがなく、他の毛より明らかに短いです。通常は大量に発生するものではないので、セルフチェックでは無視しても問題ないかもしれません。もし明らかに他の毛より短くて毛根の膨らみのない毛が大量に取れた場合、ブリーチやカラーリングなどによるダメージで切れ毛が大量発生している可能性があります。

切れ毛は牽引性脱毛症でも発生することがあります。きつく縛る髪型や編み込みをしている方は、切れ毛にも注意してください。

抜け毛の太さをチェック

抜け毛のなかに細くて頼りない感じの毛が多数混じっている場合、男性型脱毛症(AGA)か女性型脱毛症(FAGA・FPHL)の可能性があります。

薄毛になると抜け毛に対して敏感になり、抜け毛が増えたように感じることがありますが、実際には抜け毛が増えるわけではありません。

「髪が育ちにくくなり、生え替わりが遅くなる」のが、男性型・女性型の薄毛の症状です。髪があまり育たないうちに成長が止まり、抜けてしまうので、抜け毛のなかに細い毛が多数混じるようになります。

男性はおでこの生え際やつむじ周りから薄毛が広がっていき、女性は頭頂部などが全体的に薄くなっていきます。進行はゆっくりで、数ヶ月程度で髪が目に見えて薄くなるようなことはありません。

進行した牽引性脱毛症でも、細い抜け毛が発生することがあります。

医師に相談したほうがよいケース

セルフチェックで以下に当てはまった場合、異常が発生している可能性があるため、医師に相談したほうがよいでしょう。

医師に相談したほうがよいケース
  • 急に大量の抜け毛(目安として数百本以上)が発生した
  • 抜け毛が増えた状態が数週間~数ヶ月ほど続き、髪がみるみる薄くなってきた
  • 頭髪の一部がごっそり抜けた
  • 根元の膨らみがない抜け毛がたくさん発生した
  • 髪を引っ張って固定するタイプの髪型をしていて、生え際など、力がかかる部分で抜け毛・切れ毛が増えたり、髪が薄くなったりしている
  • 抜け毛のなかに細くて頼りない毛が多数混じっている

抜け毛が多い(増える)原因

ここでは、正常な抜け毛が起こる仕組みを簡単に解説してから、抜け毛が多くなる原因についてまとめます。

抜け毛が多い(増える)原因
  • 正常な抜け毛が起こる仕組み
  • 季節による変動|夏~秋は抜けやすい
  • 休止期脱毛症|心身のストレスや栄養不足、慢性疾患、感染症などが原因
  • 円形脱毛症|免疫の異常が原因
  • 牽引性脱毛症|髪を強く引っ張るヘアスタイルが原因
  • 男性型の薄毛(AGA)|主な原因は遺伝。喫煙などの生活習慣も影響
  • 女性型の薄毛(FAGA・FPHL)|遺伝やホルモンバランスが原因

正常な抜け毛が起こる仕組み

毛は毛穴の中にある毛包という組織から生えてきて、「成長して伸びる→成長が止まる→抜ける→また生える」というサイクルを繰り返しています。このサイクルを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。

【頭髪の毛周期】
  • 成長期:毛が成長する時期。通常2~6年続き、1日約0.4mm程度伸びる(個人差あり)。
  • 退行期:毛包が縮んでいく時期。
  • 休止期:次の成長期に向けて毛包の活動が休止する時期(2~3ヶ月間)。毛の伸びは止まり、やがて抜ける(1日に100本程度)。

参考:皮膚科Q&A 脱毛症 Q1毛が伸びる、または生えかわる仕組みはどのようになっているのでしょうか?|日本皮膚科学会

何らかの原因で毛周期が乱れると、抜け毛が急に増えたり、薄毛になったりします。毛周期とは関係なく、頭皮の炎症などで毛が抜けることもあります。

季節による変動|夏~秋は抜けやすい

休止期に抜ける毛の量は季節によって変動し、とくに夏から秋にかけて増加する場合が多いと言われています。人によっては、通常100本程度の抜け毛が200本程度に増えることもあるようです。

AGAを発症していない男性10名を対象に、休止期にある毛(やがて抜ける毛)の割合を8〜14年にわたって観察した研究では、以下のような結果が出ました。

季節による変動|夏~秋は抜けやすい
  • 通常、休止期の毛の割合は夏の終わりから秋の初めにかけて最大になる
  • 人によっては、それ以外の時期にも増える(年に2回のピークがある)
  • 休止期の毛の割合がとくに低い人(=成長期の毛の割合がとくに高い人)では、季節による変動が見られない

参考:Periodicity in the growth and shedding of hair|National Library of Medicine

抜け毛・薄毛の悩みを持つ女性823名を対象に6年分のデータを分析した研究では、以下のような結果が出ています。

季節による変動|夏~秋は抜けやすい
  • 休止期にある毛の割合は夏に最大になる
  • 春にも多少増加が見られる
  • 冬に最低となる

参考:Seasonality of hair shedding in healthy women complaining of hair loss|National Library of Medicine

休止期脱毛症|心身のストレスや栄養不足、慢性疾患、感染症などが原因

さまざまな要因で毛周期が乱れ、休止期の抜け毛が急激に増加し、頭髪が全体的に薄くなる脱毛症です。比較的女性に多いとされますが、男女ともに発症します。

■休止期脱毛症の要因

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身体的ストレス外科手術
高熱
出血
出産(分娩)
心理的ストレス慢性的な強いストレス
心理的ストレスがもたらす不眠や睡眠の質低下、不健康な食生活など
栄養不足タンパク質・脂肪酸・亜鉛の深刻な欠乏
慢性的な飢餓
極度のカロリー制限
病気慢性の全身性疾患(全身性アミロイドーシス・肝不全・腎不全・炎症性腸疾患・リンパ増殖性疾患など)
甲状腺機能障害(亢進症・低下症)
自己免疫疾患(皮膚筋炎など)
感染症(HIV・梅毒など)
皮膚炎症(乾癬・脂漏性皮膚炎など)
薬の副作用経口避妊薬
男性ホルモン剤
レチノイド(ビタミンAの誘導体・類似化合物)
β遮断薬(ベータブロッカー)
ACE阻害薬
抗てんかん薬
抗うつ薬
抗凝固薬(ヘパリン)

参考:Telogen Effluvium: A Review of the Literature|National Library of Medicine

ストレスや栄養不足が原因の場合、ストレスや欠乏状態を経験してから2〜3ヶ月後に脱毛が始まるのが一般的です(出産の場合は分娩の2~5ヶ月後)。薬の副作用による休止期脱毛症は、12週間程度服用を続けた後に発生することが多いとされています。

発症から半年以内で自然に症状が治まるケースが多いですが、要因を取り除かない限り、脱毛が繰り返される恐れがあります。

また、慢性の全身性疾患が原因となっているケースなど、6ヶ月以上症状が継続する場合もあります。とくに中高年女性に起こりやすいとされています。

円形脱毛症|免疫の異常が原因

免疫の異常で発症する脱毛症です。通常、免疫は外から侵入する病原体を攻撃して増殖を防ぐ働きをしますが、攻撃の矛先が体内の組織に向いてしまい、健康を損なうことがあります(自己免疫疾患)。円形脱毛症もそのひとつです。

休止期脱毛症では頭髪が全体的に薄くなりますが、円形脱毛症では特定の部分の頭髪がまとまってごっそりと抜け、頭皮が露出します。典型的には円や楕円の形に毛が抜けますが、まれに帯状の脱毛が生じる場合や頭髪全体が抜ける場合もあります。

軽症の場合、小さい脱毛が一個〜数個生じるだけで、時間とともに自然に治ることが多いです。ただし再発することがあります。

以下の場合は早めに医師に相談してください。

早めに医師に相談してください。
  • 脱毛がなかなか改善しない場合
  • 脱毛箇所が増えたり拡大したりした場合
  • 脱毛が再発した場合
  • 頭髪全体が抜けてきた場合

参考:皮膚科Q&A 脱毛症 Q10円形脱毛症とはどのような病気なのでしょうか?|日本皮膚科学会

牽引性脱毛症|髪を強く引っ張るヘアスタイルが原因

ポニーテールや編み込みなど、髪の毛を引っ張って固定するタイプの髪型を日常的に長期間続けることで発生する脱毛症です。

おでこ・こめかみ・耳の上の生え際や、編み込みの周辺などで、毛根が引っ張られて毛包にダメージが蓄積し、脱毛にいたります。まとまった脱毛が急激に起こるケースと、抜け毛が少しずつ増えて髪が薄くなっていくケースがあります。

牽引性脱毛症
  • 牽引性脱毛症になりやすい髪型:きついポニーテール・ツインテール・お団子(シニヨン)、編み込み(とくにコーンロウなどのきつい編み込み)、ドレッドロック
  • リスクを高める要因:縮毛矯正、ヘアアイロン、エクステ、髪を引っ張って留めるタイプのアクセサリー

頭皮の炎症で、赤みやかさつき、かゆみ、痛みなどが生じることもあります。

進行すると、毛包が破壊されて瘢痕(傷跡)となり、二度と髪が生えない状態(瘢痕性脱毛症)にまで発展する恐れがあります。

参考:Traction Alopecia|National Library of Medicine

男性型の薄毛(AGA)|主な原因は遺伝。喫煙などの生活習慣も影響

男性型の薄毛(AGA・男性型脱毛症)は、毛包の萎縮によって「髪が育ちにくくなり、生え替わりが遅くなる」脱毛症です。

毛包の萎縮は主に前頭部と頭頂部で起こります。前頭部では生え際が少しずつ後退し、頭頂部ではつむじ付近から薄毛が広がっていきます。

【AGAの発症メカニズム】
  • テストステロン(男性ホルモン)が5α還元酵素の作用でDHT(ジヒドロテストステロン)に変化
  • DHTが頭皮の毛包にある受容体と結合し、毛包を萎縮させる反応を引き起こす
  • この反応が少しずつ積み重なって毛包は萎縮していく
  • 毛包が萎縮すると髪が育ちにくくなり、細くて頼りない毛しか生えなくなっていく
  • 髪の生え替わりも遅くなる
  • 毛包の萎縮は前頭部の生え際や頭頂部のつむじ付近からじわじわと進み、薄毛が広がっていく

参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年度版)|日本皮膚科学会 

典型的には40代以降に発症しますが、20代や30代で発症する例(いわゆる「若はげ」)も少なくありません。思春期に発症するケースもあります。

AGAは遺伝的体質がもとになって発症します。喫煙や偏った食事などの不健康な生活習慣によって発症が早まる可能性があります。

女性型の薄毛(FAGA・FPHL)|遺伝やホルモンバランスが原因

女性型の薄毛も男性型と同じく、毛包の萎縮によって発症し、ゆっくり進行していきます。男性型とは進行パターンが異なり、頭頂部や前頭部で全体的に髪が薄くなっていくパターンが一般的です。

原因や発症メカニズムについては男性型ほどわかっておらず、まだ不明の点が多いですが、遺伝的体質やホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。

参考:The Female Pattern Hair Loss: Review of Etiopathogenesis and Diagnosis|National Library of Medicine

抜け毛の治し方

ここでは、抜け毛の治し方を原因別にまとめます。

抜け毛の治し方
  • 休止期脱毛症の治し方|原因となった問題を取り除く/薬で症状を和らげる
  • 円形脱毛症の治し方|ステロイド療法などで治療。自然に治ることも
  • 牽引性脱毛症の治し方|初期の段階ならヘアスタイル改善で対応可能
  • 男性型・女性型の薄毛の治し方|内服薬・外用薬や外科治療で改善

休止期脱毛症の治し方|原因となった問題を取り除く/薬で症状を和らげる

休止期脱毛症の治療では、脱毛を引き起こす原因を取り除くことが第一に重要です。原因が一時的なもの(外科手術や出産など)の場合は、脱毛は時間とともに自然に治まることが期待できますが、そうでない場合は、原因を取り除かない限り、脱毛が慢性化したり再発したりする恐れがあります

医師と相談して原因を特定し、原因に合わせて対処していきます(生活習慣改善や原因疾患の治療、薬の中止、同等の作用を持つ別の薬への変更など)。

脱毛症状が長引く場合、症状を和らげるために副腎皮質ステロイドなどの治療薬が用いられることもあります。

円形脱毛症の治し方|ステロイド療法などで治療。自然に治ることも

円形脱毛症は脱毛の範囲や症状の進み方が多種多様なので、一人ひとりの状況に合わせて治療法を選択し、症状の変化に応じて治療法も変更していくことが必要です。

代表的な治療法は以下の通りです。

円形脱毛症の治し方
  • ステロイド局所注射:脱毛部位に副腎皮質ステロイドを注射(脱毛範囲が広くない場合に適する。痛みが強い場合は事前に局所麻酔を行う)
  • 局所免疫療法:脱毛部位に化学物質を塗布してアレルギー性皮膚炎を引き起こし、免疫バランスを変化させる(アトピー性皮膚炎の方には不適)
  • ステロイド外用薬:脱毛部位に副腎皮質ステロイドを塗布(幅広い方に実施しやすい)
  • 点滴静注ステロイドパルス療法:短期入院で大量の副腎皮質ステロイドを集中的に点滴投与(急速・広範囲に脱毛が進むケースなどに適用)

参考:皮膚科Q&A 脱毛症 Q13円形脱毛症の治療はどのようにするのでしょうか?|日本皮膚科学会

軽症の場合、自然に治まることが多いので、治療は行わずに定期的な診察で症状の経過だけ観察するという選択肢もあります。

牽引性脱毛症の治し方|初期の段階ならヘアスタイル改善で対応可能

毛包が破壊されていない段階であれば、頭皮への負担が軽い(縛らない・編まない)ヘアスタイルに変更することで、改善が期待できます。職業柄どうしても髪をきつくまとめる必要がある方は、縛る位置を日によって変え、休日は髪を解いて過ごすことで、ある程度負担を軽減できます。

頭皮に炎症が生じている場合は副腎皮質ステロイドで治療します。

毛包が破壊されてしまった場合、毛の再生は期待できないので、後頭部などから自分の頭皮を採取して脱毛部位に移植する「自毛植毛」などが行われます。

男性型・女性型の薄毛の治し方|内服薬・外用薬や外科治療で改善

主に内服薬・外用薬による治療が行われます。フィナステリド(またはデュタステリド、女性の場合はスピロノラクトン)とミノキシジルを併用するのが標準的な治療法です。初期の段階ではフィナステリドだけでも十分に薄毛が改善することもあります。

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治療薬効果適用性別注意点
フィナステリド(内服薬)5α還元酵素の作用を阻害し、薄毛進行を抑制
薄毛改善効果も期待できる
男性のみ薄毛改善効果は限定的
デュタステリド(内服薬)フィナステリドと同様の作用で、効き目がより強い男性のみ薄毛改善効果は限定的
スピロノラクトン(内服薬)テストステロン・DHTと受容体の結合を阻害し、薄毛進行を抑制女性のみ女性型脱毛症治療薬としては国内未承認
ミノキシジル(内服薬・外用薬)髪の成長と生え替わりを促進男女薄毛進行を抑制する効果はないため、フィナステリドなどの併用が推奨される
内服薬は国内未承認

薄毛が進行するほど内服薬・外用薬が効きにくくなるため、早期に使用を開始するのがおすすめです。

進行した薄毛には「自毛植毛」が効果的です。後頭部などの薄毛になりにくい部位から自分の頭皮を採取して、薄毛部位に移植します。移植箇所以外の薄毛を予防するため、フィナステリドなどの併用が推奨されます。

抜け毛の予防方法

最後に、抜け毛・薄毛の予防のために自分でできる対策をまとめておきます。

抜け毛の予防方法
  • 健康な食生活を心がけ、不足する栄養素はサプリで補う
  • 禁煙する
  • 睡眠リズムを改善する
  • 髪と頭皮をいたわる(特別なシャンプーやマッサージなどは不要)

健康な食生活を心がけ、不足する栄養素はサプリで補う

極端に栄養の偏った食生活や、極度のカロリー制限、特定の栄養素を過度に控える方法でのダイエットは、休止期脱毛症の要因となります。栄養の偏りやカロリー過多は、男性型・女性型の薄毛の発症と進行を早める可能性があります。

栄養バランスの取れた健康的な食生活を心がけ、極端なダイエットや暴飲暴食は避けてください。

サプリメントについては、食事だけではどうしても不足してしまう栄養素がある場合に、バランスを取るために摂取するのが本来の使い方です。

「育毛サプリ」などで特定の栄養素だけたくさん摂取しても、全体のバランスが取れていなければ、髪にとってよいことはありません。サプリ摂取で安心し、食事が適当になってしまっては、本末転倒です。

禁煙する

喫煙は男性型・女性型の薄毛の発症と進行を早める可能性があります。他の脱毛症についても影響がないとは言い切れませんし、髪の質を低下させる恐れもあります。薄毛・抜け毛の予防や髪の健康のためには禁煙が推奨されます。

睡眠リズムを改善する

睡眠習慣の乱れ(睡眠不足や不規則な睡眠)は、ストレスの増加や食生活の乱れを招き、休止期脱毛症を引き起こしたり、薄毛の発症を早めたりする可能性があります。

適切な睡眠時間は人によって異なり、就寝・起床のパターンも職業などの事情に合わせて調整する必要がありますが、できるだけ無理がなく、規則的な睡眠習慣を心がけてください。

髪と頭皮をいたわる(特別なシャンプーやマッサージなどは不要)

抜け毛・薄毛の予防には、日頃から余分なストレスを頭皮に与えないように注意して、髪をいたわることが重要です。

きつく縛る髪型や縮毛矯正・ヘアアイロンはなるべく控え、洗髪は多くても1日1回までとし、爪やブラシでゴシゴシ力をかけて洗うことは避けてください。洗いすぎると頭皮に必要な皮脂まで失われ、皮膚のバリア機能が損なわれて、炎症や脱毛症につながることがあります。

脂漏性皮膚炎(皮脂が分泌される部位で真菌が増殖する症状)が生じている場合は、皮脂の量が問題になることがありますが、通常は、頭皮の皮脂や汚れが抜け毛・薄毛につながることはありません。洗髪は毎日でなくてもよく、特別なシャンプー(育毛シャンプー・薬用シャンプーなど)は不要です。

頭皮マッサージはリラックス効果が期待できるだけで、抜け毛・薄毛に対してはとくに効果はありません。やり過ぎるとかえって頭皮を傷めます。

まとめ|異常な抜け毛に気づいたら早めに医師に相談しましょう

抜け毛の増加はさまざまな原因で起こり、放置するとさらに抜け毛が増えたり、薄毛が広範囲に広がったり、二度と髪が生えない状態になってしまったりすることもあります。

抜け毛の急激な増加や、頭皮の露出、髪の密度低下などの異常に気づいたら、早めに医師に相談しましょう。

抜け毛の予防には、健康的で、頭皮に余分なストレスを与えない生活習慣が重要です。「特別なケアを加える」ことよりも、髪と頭皮をいたわることを大事にして、毎日を過ごしてください。

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