インプラント治療を検討しているかたのよくある質問のひとつが、
「何歳から受けられる?」「何歳までできる?」という年齢に関するお悩みです。
若すぎると受けられない?高齢だから諦めた方がいい?
そのような不安をお持ちのかたに向けて、この記事では、インプラント治療の適応年齢や、実際に治療を受けている年代の傾向、注意点まで解説します。
目次
■インプラント治療に年齢制限はない!大事なのは「骨の成長」と「全身の健康」
「何歳だからインプラントができない」といった一律の年齢制限は、実はありません。
日本口腔インプラント学会でも「年齢で適応・非適応を判断しない」という方針が明示されています。※
治療可否の判断において大切なのは、以下のような要素です。
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顎の骨の量や質が十分か
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高血圧・糖尿病などの持病が安定しているか
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手術後のメンテナンスが無理なく行えるか
これらを総合的に評価し、年齢にとらわれず個別に治療の可否を判断するため、まずは一度検査を受けてみることをおすすめします。
※日本口腔インプラント学会「口腔インプラント治療指針 2024」
■何歳からインプラントできる?
インプラント治療は、骨の成長が完了してから検討するのが原則です。そのため、まだ骨の成長が続いている10代や20代前半では、まだ適応できないケースもあります。
年齢の目安としては、18歳〜20歳以降がひとつの基準とされますが、実際にはレントゲンなどで顎の成長が完了しているかを確認したうえで、個別に判断します。
もし成長途中でインプラントを入れてしまうと、あとから噛み合わせや見た目にズレが生じてしまうリスクがあります。そのため、若年層で歯を失ってしまった場合は、次のような方法をご提案することがあります。
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仮歯や義歯(入れ歯)で一時的に補う
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ブリッジで両隣の歯を使って支える
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骨の成長を待ってからインプラントを検討する
将来的にインプラントを考えている場合でも、まずはお口全体の健康を保つことが大切です。必要に応じて定期的に成長の状態を確認し、適切な時期を見極めて治療計画を立てましょう。
■何歳までインプラントできる?
インプラント治療には明確な年齢の上限はありません。
ご高齢の場合、以下のような要素を総合的に見て判断されます。
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全身の健康状態(高血圧や糖尿病などの持病がコントロールされているか)
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顎の骨の量・質(骨がしっかりしているか、骨造成が必要か)
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手術後の回復力(喫煙習慣の有無)
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日常のセルフケア能力(お口のケアが続けられるか)
高齢になると、持病や服薬があるかたも多くなりますが、それだけで治療不可とは限りません。必要に応じて、主治医と連携しながら治療の可否を丁寧に判断していきます。
また、骨が痩せている場合でも、骨を補う治療(骨造成)で対応できることがあります。
ご本人だけでなく、ご家族の通院サポートやメンテナンス体制も含めて、無理のない計画を立てることがインプラントを長持ちさせるポイントです。
■実際にインプラントを受けている人の年代は?
厚生労働省が行った調査によると、インプラントを装着している人が特に多いのは70〜74歳の年代(5.9%)でした。
年代(歳) |
インプラント |
20〜29 |
2.6% |
30〜39 |
1.3% |
40〜49 |
0.7% |
50〜59 |
2.9~3.2% |
60〜69 |
3.6~4.5% |
70〜74 |
5.9%(最多) |
75〜79 |
3.9% |
80〜84 |
4.9% |
85以上 |
2.9% |
※出典:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査」
年代別に見ても、50代後半〜70代前半にかけて装着率が高くなっていることが分かります。
年齢を理由にあきらめるのではなく、まずは今のご自身の状態に合わせた選択肢を探してみましょう。
■インプラントに年齢制限はなく、今の状態で判断されます
インプラント治療は、年齢だけで適応・非適応が決まるものではありません。
成長段階である20代前後は慎重に判断しますが、顎の骨がしっかりしていて全身状態に問題がなければ、80代以上でも治療を受けられる可能性があります。
だいご歯科では、CT検査や全身状態の確認をしっかり行い、患者さまに合った治療法をご提案します。まずは、お気軽にご相談ください。