歯の豆知識
指しゃぶりをやめさせる時期とやめさせ方
診療中、お子様の指しゃぶりで悩まれているお父様やお母さまからのご相談をよくうけます。指しゃぶりに関しては、1歳ころまでは成長・発達において意義のある行動になりますので、無理にやめさせる必要はありません。むしろ、無理にやめさせることで、他の悪習癖につながる恐れもあります。3歳ころになると社会性も発達し、恥ずかしいという気持ちが芽生えることで自然にやめるお子様が増えてきます。4歳前後でまだ指しゃぶりを続けている場合、かみ合わせや歯列に悪影響が出る可能性が高いです。指しゃぶりはどのような影響を与えるか、やめられるようにするアプロ-チ方法を紹介していきます。
最初に指しゃぶりはどのような影響を与えるか?についてです。
→歯列、噛み合わせの影響
・前歯を圧迫させることにより歯がねの方に圧下してしまい、上下の前歯の間に隙間ができてしまう。
・親指を吸うことで上の前歯が前に押されて舌の前歯が後ろに押されて出っ歯になる。
→口元の影響
・指をしゃぶっている時にひ使っている筋肉が吸っていない時にはゆるんでしまい、ぽかんと口唇が開いたままの状態になる。
→皮膚への影響
・指しゃぶりによって指の吸いダコ、指がふやけてきたりします。
上記のように指しゃぶりはこのような影響があります。
次に指しゃぶりをやめられるようにするアプロ-チの方法についてです。アプロ-チの方法としては、以下のようなものがあります。
①やめなければいけない理由をきちんと説明する。
②自分の口の中がどうなっているか?指を吸うと何が悪いか?なぜやめないといけないのか?を説明し、理解してもらう。お母さんから日常的に言われて気にしなくなっている子には、歯科医師や衛生士から説明することで、重大さに気づく場合もあります。
③ゴールの目標日を決める。誕生日や入園・入学などの子供にとって節目のタイミングを指しゃぶりの卒業する日としてゴ-ルを決めます。数カ月前から設定し、『この日でお指にバイバイしようね。』と継続的に言い聞かすことで、子供の心の準備が整いやすいです。
④ご褒美を活用する。目標を達成できた日には、子供のお気に入りのスタンプやシ-ルをカレンダ-に貼ったり、好きなおかずを夕食に加えたりすると、子供のモチベ‐ションが上がります。ご褒美は高価なものでなくても構いません。
⑤物理的に指をブロックする。手袋や指サックをはめたり、サイズの大きいパジャマの袖口を縫い付けて指を隠します。お母さんの手やお気に入りのものに置き換える。
⑥気持ちを落ち着かせるために、代替案を提案します。寝つきに指しゃぶりがある子には、吸っている指の手をお母さんに握ってもらったり、お気に入りの人形・おもちゃと一緒に寝てもらいます。
⑦指のせいにする。指しゃぶりをしたとき、本人ではなく、しゃぶる指に対して『○○ちゃんのお口に入っちゃダメよ。』と叱る。
このような方法を試していただいて、お子さんの指しゃぶりの卒業を目指しましょう。
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