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血糖値の数値が気になって、インプラント相談をためらっていませんか
「糖尿病があると人工歯根の治療は難しい」と言われた経験から、相談そのものを先延ばしにしている方は少なくありません。実のところ、血糖コントロールの状況次第で検討の余地は変わってきます。本記事では判断の目安となるHbA1cの数値、内科主治医との連携の進め方、そして術後の管理までを順に整理してお伝えします。
この記事の要点まとめ
- インプラント検討時の目安はHbA1c7.0%未満とされるが、数値だけで一律に判断されるものではない
- 内科主治医との連携やCT等を用いた計画立案により、身体への負担軽減を図る工夫がある
- 血糖管理を続けながら、噛み合わせ回復による食生活面への好影響も期待できるとされる
糖尿病患者さまが人工歯根治療を検討できるHbA1cの基準と留意点

糖尿病があるかどうかだけで一律に線が引かれるわけではありません。検討の出発点になるのは「血糖コントロールがどの程度保たれているか」です。目安となる数値と、その背景にある考え方を整理します。
判断基準となるHbA1cと血糖値の具体的な数値の目安
外科処置を伴う歯科治療では、HbA1cがおおむね7.0%未満(可能であれば6.5%前後まで整えられている状態)が一つの目安として扱われることが多くあります4。空腹時血糖値なら概ね140mg/dL未満、随時血糖値では200mg/dLを大きく超えない範囲が望ましいとされています。抜歯でも考え方は同じで、8.0%を超える場合は時期を見直す判断がなされることがあります1。
とはいえ、これらは絶対的な線引きではありません。合併症の有無、腎機能、喫煙習慣、歯周組織の状態などを合わせて総合的に見ていきます。数値が目安を上回っていても、内科での管理を進めながら時期を調整するという道は残されています。
血糖コントロールが不十分な際に生じる傷口の治癒遅延と感染リスク
高血糖の状態が続くと、細菌と戦う白血球のはたらきが低下し、いわゆる易感染性の状態になりやすいと言われています2。細い血管の血流も滞りがちで、傷口へ酸素や栄養が届きにくく、治癒に時間を要する傾向があります。
人工歯根の治療では、埋入した器具と顎の骨が結びつく「骨結合(オッセオインテグレーション)」という過程が要になります。この期間に感染や治癒遅延が生じると、計画どおりに進まない可能性が高まるわけです。さらに糖尿病と歯周病は互いに影響し合う関係にあり、歯周組織の炎症が血糖コントロールを難しくする側面も指摘されています3。
重度糖尿病やインスリン投与を行っている場合の受診判断
インスリン自己注射をしているというだけで、検討対象から外れるわけではありません。判断の軸は、あくまで直近のHbA1cの推移と内科主治医による管理状況です。他方、血糖値の変動が大きい方や低血糖発作の既往がある方には、より慎重な計画立案が求められます。
当院では、処置時間を短くまとめる、段階を分けて計画をシンプルに組み立てる、といった身体への負担を抑える工夫を検討します。手術中の低血糖に備えた血糖測定や、使用する麻酔薬の種類・量への配慮についても、あらかじめご説明します。
内科主治医との医科歯科連携と負担を抑える処置手順
持病をお持ちの方の外科処置では、歯科医院の中だけで判断を完結させないことが大切です。内科と歯科が情報を共有する体制と、身体への負担を抑える設備、この両輪で進めていきます。
事前に進める内科主治医への対診と当日の服薬管理
手術を検討する段階で、歯科医師から内科の主治医へ照会文書をお送りし、直近の検査データや治療内容、外科処置に関する見解を共有していただきます。これが医科歯科連携(対診)と呼ばれる手順です3。ご来院の際にお薬手帳と直近の血液検査結果をお持ちいただけると、話がぐっと早く進みます。
当日の服薬は、経口血糖降下薬やインスリンの投与量・タイミングを内科の指示に沿って調整します。絶食の指示が重なると低血糖につながる可能性もあるため、朝食の摂り方まで含めて事前に確認しておきましょう。自己判断での休薬は避け、必ず主治医の指示を仰いでください。
三次元診断を行う歯科用CTやナビゲーション手術(X-Guide)の活用
治癒に配慮が必要な方ほど、切開範囲や手術時間を抑える計画が意味を持ちます。当院では歯科用CTで顎の骨の厚みや神経・血管の位置を立体的に把握し、口腔内スキャナー(iTero)によって型取りの負担を減らす方法を取り入れています。
インプラント治療ではX-Guideを導入し、CTデータと連動したガイドを確認しながら、計画した位置・角度に沿って埋入を進めます。事前のシミュレーションに基づいて処置を組み立てることで、身体への負担軽減と精度の両立を目指す考え方です4。当院の特徴として、こうしたデジタル設備を組み合わせた診査・診断を重視しています(※症例により使用しない場合もあります)。
インプラント周囲炎を防ぐための毎日の歯みがきと定期管理
治療が一段落した後こそ、管理の継続が重要になります。人工歯根の周囲に炎症が起こる「インプラント周囲炎」は、初期には自覚しにくく、進行すると骨の吸収につながる可能性があります2。
ご自宅では歯ブラシに加え、歯間ブラシやフロスで人工歯と歯ぐきの境目を丁寧に清掃してください。糖尿病をお持ちの方は炎症が広がりやすい傾向があるため、間隔を短めにした定期管理をご提案することもあります。当院には13名の歯科衛生士が在籍し、担当制によるメンテナンスにも対応しています3。
「糖尿病=絶対に不可」という誤解と噛み合わせ回復が与える好影響
過去に持病を伝えて難色を示された経験があると、「もう選択肢はない」と受け止めてしまいがちです。ここでは、その受け止め方を一度ほどいて考えてみましょう。
「糖尿病があると人工歯根はできない」という誤解の解説
糖尿病という診断名そのものが、治療の可否を決めているわけではありません。見られているのは、血糖コントロールの状態と、それを維持できる体制があるかどうかです1。数値が目安を上回っていた時期に相談していたのなら、その時点での判断としては見送りが妥当だった、という可能性もあります。
裏を返せば、内科での管理が進んで状況が変われば、改めて検討する余地が生まれるということ。人工歯根以外にも、ブリッジや入れ歯といった選択肢を並べて考えることもできます。まずは現在の口腔内と全身の状態を客観的な資料で確認するところから始めてみてください3。
咀嚼回数が増えることで期待できる食後血糖値の急上昇抑制
奥歯の噛み合わせが崩れると噛む回数が減り、やわらかいものや流し込みやすい食事に偏りがちになります。よく噛んで時間をかけて食べる習慣は、食事のペースを穏やかにし、食後の血糖値の急な上昇をやわらげる方向にはたらくと考えられています1。
咀嚼しやすい状態に整うことで、野菜や食物繊維の多い食材を取り入れやすくなり、食事療法の幅が広がる面もあります。噛み合わせを整えることは見た目のためだけの話ではなく、食生活そのものを支える土台づくり。そう捉えていただけると、検討の意味がより明確になるはずです2。
噛み合わせを取り戻して家族と同じ食事を楽しむための相談ステップ
最初の一歩は、資料をそろえて現状を把握すること。当院では初回のインプラント相談とCT撮影を無料で行い、治療の流れや費用、想定されるリスクまでを院長がご説明しています(※初診料・X線撮影料が別途かかります)4。なお、インプラント治療は自由診療で全額自己負担となり、外科処置に伴う腫れ・出血・感染などの偶発症が生じる可能性もあります。
ご来院時は、お薬手帳と直近のHbA1cがわかる検査結果をご持参ください。その場で可否を断定するのではなく、内科主治医への照会を経て段階的に判断していきます。戸田公園駅西口より徒歩2分、駐車場も3台ご用意していますので、お仕事帰りにもお立ち寄りいただけます。
よくある質問
Q1. 糖尿病でもインプラント治療は受けられますか?
A. 診断名だけで一律に判断されるものではなく、血糖コントロールの状態が検討の中心になります。HbA1cの推移や合併症の有無、内科主治医の見解を踏まえて総合的に判断します。現時点で数値が目安を上回っていても、管理を進めたうえで改めて検討する道は残されています。
Q2. 歯科での抜歯や外科処置のHbA1cの目安はどのくらいですか?
A. 一般にHbA1c 7.0%未満が一つの目安とされ、8.0%を大きく超える場合は時期を見直す判断がなされることがあります。ただし施設や全身状態によって考え方は異なりますので、数値だけで自己判断はなさらず、歯科と内科の双方でご確認ください。
Q3. 糖尿病で歯科治療を受ける際、特に注意すべき点は何でしょうか?
A. 感染への配慮と、処置中の低血糖への備えが挙げられます。食事を抜いた状態での来院は避け、服薬やインスリンの調整は必ず主治医の指示に従ってください。予約時間の設定や処置を分けて進めることについても、事前にご相談いただけます。
Q4. インスリン注射をしていても相談できますか?
A. ご相談いただけます。判断の軸は注射の有無ではなく、血糖値の安定度と管理体制です。変動が大きい場合には、より慎重な計画立案と内科との密な連携が前提になります。
Q5. 治療後のメンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 一般的には3〜6か月ごとが目安ですが、糖尿病をお持ちの方は炎症が広がりやすい傾向があるため、間隔を短めにご提案する場合があります。ご自宅での歯みがきと併せて続けていただくことが、長く使っていくうえでの要になります。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
3. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/
4. 日本口腔インプラント学会 https://www.shika-implant.org/
神奈川歯科大学歯学部 卒業
神奈川歯科大学総合診療科 勤務
臨床研修歯科医 修了
平成15年
神奈川歯科大学顎顔面外科学講座医員
平成16年
国立秋田大学医学部付属病院 歯科・口腔外科医員
平成18年
さいたま市の歯科医院にて医長に就任
平成21年
厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医 認定
平成22年
公益社団法人日本口腔インプラント学会認証医 認定
平成23年
さいたま市同歯科医院にてインプラントセンターチーフに就任
日本歯科大学生命歯学部大学院歯学研究科 卒業
歯学博士号取得(甲第九九四号 インプラントの論文で取得)
日本歯科大学生命歯学部非常勤講師
平成24年
だいご歯科クリニック 戸田公園インプラントセンター 開設
公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医 認定
平成25年
日本口腔インプラント学会 第4回関東・甲信越支部 学術シンポジウム実行委員
平成26年
日本口腔インプラント学会 第44回学術総大会実行委員 日本口腔インプラント学会専修医 認定
平成30年
日本口腔インプラント学会第9回関東・甲信越支部 学術シンポジウム シンポジスト
令和 2年
NPO法人埼玉インプラント研究会理事 就任
インプラント100時間コース実行委員
東京歯科大学水道橋病院医療連携機関 認定
日本大学歯学部付属病院医療連携施設 認定
令和 5年
インプラントメーカ-ノーベルバイオケア社 プレミアムメンバ- 認定
日本口腔インプラント学会専修医・専門医
国際口腔インプラント学会認定医
厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医
NPO法人埼玉インプラント研究会 所属
【所属学会】
日本口腔インプラント学会
国際インプラント学会
NPO法人埼玉インプラント研究会 会員
日本歯周病学会
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